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工事原価の要素5選|工事原価管理のポイント4つと勘定科目7選も紹介

更新日:2021年3月5日

工事原価とは?

工事原価とは、現場に直接かかった工事費と管理費の合計です。現場に直接関係がない費用や利益を除いた分の工事費を指し、会社の間接部門などで発生したお金は含みません。

工事原価を知る際は、原価についても把握しておきましょう。これから、原価について紹介していきます。

そもそも原価とは

原価とは、売上を得る目的に対して直接的に必要となった仕入れ経費です。実際の売上から原価分を差し引いた金額は、粗利益と呼ばれます。商品の販売業であれば、売上のために販売する物を仕入れますが、この販売する物を買う行動(仕入れ)による経費を原価と言います。

物を仕入れて売ることで、経営が成り立ちます。しかしながら、原材料を仕入れてから販売するまでの間に、加工・製造といった工程を含む業界もあります。このようなものづくり系が完成品を販売する場合は、原価に対する考え方が販売業などとは異なります。

一般会計と異なる建設業会計

建設業界では、仕入れた材料で作り上げた建築物で売上を得ます。販売業のように、仕入れから売上までのプロセスが直結していません。加工・製造といった工程を踏む他、工事期間が長かったり、完成後すぐに売上となるお金が入ってこなかったりすることもあります。

そのため、建設業界で用いられる会計方法は特異的なものとなっています。名称も一般会計と区別して、建設業会計と呼ばれています。売上につながる完成品を製造する中で生じた水道光熱費や人経費など経費を含めて計算し、完成・引渡の時期を見据えて売上の扱いを考えます。

工事原価の要素5選

工事における原価には、材料費・労務費・外注費・経費・一般管理費といった5つの要素が存在します。材料費から経費は、着工から完成までに直接要する費用であることが前提となります。つまり、現場作業に直接関わる経費のみを原価とします。

一般管理費に関しては、完成までに直接を要する費用ではありません。しかし、原価と原価以外を区別するために把握しておく必要があります。それでは以下に、各要素についてご紹介していきますので、工事原価に該当する費用を把握する際の参考にしてください。

1:材料費

工事原価の要素1つ目は、材料費です。製造を完了させるまでに必要となる、原材料・製品・半製品などが該当します。建設業界で言えば、建物を構築する材料や部品などの仕入れにかかったお金が材料費になります。

2:労務費

工事原価の要素2つ目は、労務費です。製造を完了させるまでにかかった人件費・法定福利費・福利厚生費など、人を自社で働かせる際にかかるお金が該当します。製造に直接関わった従業員に対してのみ、工事原価としての労務費は発生します。

3:外注費

工事原価の要素3つ目は、外注費です。製造を自社で行わず、外部の企業に委託(外注)した場合に発生するお金が該当します。

下請業者へ外注契約の形で依頼を行なった場合、支払う出来高分の外注費は前渡し分になります。つまり下請業者は、工事完了まで外注費の消費税を仕入れ税額で控除できないということです。外注費から税抜して、未成工事支出金に含める処理は誤りとなります。

4:経費

工事原価の要素4つ目は、経費です。ここまでの材料費・労務費・外注費に該当しないものの中で、製造完了までに必要となった費用が該当します。たとえば、水道光熱費・消耗品費・減価償却費などです。

5:一般管理費

工事原価の要素5つ目は、一般管理費です。依頼者に請求される工事の価格は、工事原価と一般管理費で成立しています。

このうち工事原価は製造工程に直接関係する費用を指しますが、一般管理費は製造工程に直接関係していない費用を指します。たとえば、事務員の給与・筆記用具・打ち合わせに要した経費などが一般管理費に該当します。

工事原価管理のポイント4つ

工事原価管理の精度を高めるポイントは、大別して4つあります。それは、現場ごとの工事台帳を作成すること・経費を現場ごとに振り分けること・人件費を配賦すること・共通経費を配賦することです。各ポイントについて、以下にご紹介していきます。

1:現場ごとの工事台帳の作成

ポイント1つ目は、現場ごとの工事台帳を作成することです。現場別の工事台帳は、正確な集計を行うために必要不可欠なものとなります。会社全体で生じた工事関連費用から該当工事で使った分のみ拾い出し、その都度工事台帳に転記していくと、分かりやすい原価管理が行えます。

また、工事台帳は4要素(材料費・労務費・外注費・経費)ごとに分けておくと、工事内容を分析して今後に役立てることができ、完成時の利益予想を行うための素材になります。原価管理の精度が上がるため、要素ごとに集計することをおすすめします。

2:経費を現場ごとに振り分け

ポイント2つ目は、経費を現場ごとに振り分けることです。請求書にある内容を現場ごとに分けると、効率的に原価を集計できるようになります。請求書に異なる工事が混在する場合は台帳に転記できないため、納品書も含めて内容を確認し、請求書を1枚ずつ現場別に振り分けます。

仕入れ業者によっては、依頼することで現場別の請求書を作成してくれます。請求書を得る段階で既に現場ごとに分けられていれば、工事会社側が行う振り分け作業は省かれます。また、現場の特定が不可能な共通経費が生じる場合は、可能な限り現場を割り当てて対応します。

3:人件費の配賦

ポイント3つ目は、人件費の配賦です。人件費(労務費)には請求書がないため、作業員ごとにある作業日報と、工事現場ごとの日報を使って計算します。日報を元に各工事に関わる作業員の作業日時を数え、1人あたりの給与を乗じます。

給与は日給でも時給でも、実際に支払った人件費分に法定福利費など経費もプラスして、作業の日数・時間で乗じた実単価を用いることができます。

4:共通経費の配賦

ポイント4つ目は、共通経費の配賦です。以上までの計算を完了させたら、残りの共通経費を計算します。共通経費に当てはまるのは、倉庫整理従事者の人件費・重機の減価償却費・工具の修理代などです。

これらは現場を特定することはできませんが、原価の1つに該当します。そのため、合理的基準に沿って分けていきます。工事規模で分ける場合は工事受注高の割合、現場の直接経費で分ける場合は前述のポイント3つ目までに振り分けた経費合計の割合を使うこともできます。

工事原価に関連する勘定科目7選

工事原価に関する勘定科目は、全部で7つあります。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。以下に、各勘定科目についてご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1:完成工事高(売上高)

勘定科目1つ目は、完成工事高です。一般会計では売上高と呼ばれる勘定科目と同等のもので、完成した工事の収益を指します。完成・引渡を終えたことで生じた売上は、完成工事高として計上されます。

ただし、建設業における完成工事高の毛計上基準は、販売業など一般的なものとは異なります。通常は商品の引き渡しにと共に得た代金が売上になりますが、建設業では工事完成基準や工事進行基準に基づいて計算を行ないます。

工事完成基準では、工事完成後に完了審査が終了した時点で工事高が計上されます。工事進行基準では、工事の進み具合や出来高に応じた工事高を部分的に計上します。長期的な工事では完成までの工事高が0円になるため、決算書に正しい反映を行なうために工事進行基準を用います。

2:未成工事支出金(仕掛品)

勘定科目2つ目は、未成工事支出金です。一般会計における仕掛品と同等の鑑勘定科目で、まだ完成していない工事で要したお金を指します。

当期に材料費・労務費・外注費などが先行して発生したが、翌期に先行経費に対する物件引渡を行なうため、ひとまず貸借対照表の資産とします。

3:未成工事受入金(前受金)

勘定科目3つ目は、未成工事受入金です。一般会計で記す前受金と同等のもので、まだ完成していない工事に関して受け入れたお金を指します。

当期に工事の手付金・中間金を受け取ったが、工事の完成や引渡は翌期になるため、決算時点では売上代金を前受けとして貸借対照表の負債に計上します。

4:完成工事未収入金(売掛金)

勘定科目4つ目は、完成工事未収入金です。一般会計でいう売掛金と同等のもので、完成した工事における未収入分を指します。当期に工事の完成・引渡を終えたが、翌期に代金が入金されるため、決算時点では未入金として貸借対照表の資産に計上されます。

5:工事未払金(買掛金)

勘定科目5つ目は、工事未払い金です。一般会計で使う買掛金の表記と同等の意味を持つ勘定科目で、工事に関する未払い分を指します。当期に材料費・労務費・外注費などが生じても、翌期に支払いを行なうため、決算時点では未払い状態として貸借対照表の負債に計上されます。

6:完成工事原価(売上原価)

勘定科目6つ目は、完成工事原価です。売上原価のことであり、請負工事契約に基づいた工事の原価を指します。各工事で交わされる請負工事契約に基づく原価が出るため、時と場合によって計算対象に細かな違いが出ることもあります。

7:完成工事総利益(売上総利益)

勘定科目7つ目は、完成工事総利益です。売上総利益とも呼ばれ、完成工事原価から完成工事高を引いたものが完成工事総利益になります。工事に要した経費と依頼者から貰うお金を差し引いて、実質的にどのくらいの利益が入るのかを示すものです。

建設業会計の工事原価を正しく理解しよう

建設業の収益や支出は、仕入れと販売が直結する販売業などとは異なります。加工・製造といった工程を踏むために、製造開始から収益になるまでの期間が長期化したり、完成してもすぐに収益につながったりするわけではないこともあります。

そのため、直接的な経費を考えるだけでは、黒字のつもりが赤字になってしまうこともあります。一般的な会計とは異なる先見と組み立てが必要になるため、工事原価を正しく理解して、適正な計算が行えるようにしておきましょう。

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