
どんな未経験者が現場では活躍しているのだろうか。
五十嵐さんのインタビューの3回目は、現場体験が未経験者の成長を促したエピソードについて伺った。
名前
五十嵐 博重 氏
開発推進部 課長 副主任 2000年4月新卒入社。2004年~大阪営業所、2007~2008年仙台営業所勤務を経て、2008年から本社営業部門。現在は開発推進部で新規取引先の拡大に努めている。
●難工事の現場に着任した頑張り屋の未経験社員

若手の技術社員は私にとっては師匠のような存在です。現場の理解を深めるために、いろいろと教えてもらってきました。どの人もよく頑張っていましたが、中でも8年ほど前に担当した技術社員が印象に残っています。
その現場は高速道路の地下トンネル工事現場。地上部には鉄道が走っており、鉄道の運行は止めずに、支障をきたさないように配慮しながら、工事をする必要がありました。
前例のないケースを検討した結果、ある特殊工法が採用されました。
さらに現場の状況に合うように、ゼネコンの研究所で試験施工を繰り返し、地質やさまざまな外的要因を検討されていました。これなら大丈夫という判断をした上で、現場でも緻密な計算をし、熟練工の力を借りて工事が進められました。
未経験でそんな大がかりなプロジェクトに参加するのは大変なことですが、研修の時から彼には持前の明るさがあり、一目置かれた存在でした。現場に入ってからも、いつも挨拶を忘れず、何事にも積極的で真面目に頑張る彼の仕事振りは、現場の所長さんから表彰を受けるほどでした。
そして現場にもなくてはならない、周りから可愛がられる人物でした。
●現場経験が彼を成長させ、夢真の底力を上げた

未経験の彼は、現場であちこち動きながら、ゼネコンの担当者や職人さんたちが協議を重ねる姿を目の当たりにします。難しい現場だということは未経験者の自分にも伝わり、だからこそ、そういう現場に関われたことが大きな自信になりました。
技術的な理解や進歩はもちろん、自信や仕事の面白さ、やりがいを未経験者がどんどん深めていくのは、よくあることです。一つ経験を積めば、次に関われる仕事の範囲が広がり、目標も明確になります。そこでまた新たなチャレンジをすれば、さらに実力が高まります。
一人の未経験者がそうやって力を付け、夢真の中にどんどん増えていけば、会社としても成長します。一人の技術社員としての成長と会社としての成長、どちらも好循環で回っているのが、今の夢真です。
もちろん、未経験の技術社員を受け入れてくださる現場の皆さんにも感謝したいです。夢真はこれまで長年の実績により、大手ゼネコン等、各社と深い信頼関係を構築し、頼りになる派遣元として、一目置いていただいています。
彼もその後、あちこちの現場を経験し、実務経験の条件年数を満たし、国家資格にも挑戦中だと聞いています。まだまだ頑張ってほしいし、頑張れる人物だと信じています。
●デジタル化が未経験者の新たな道を開いている
工程記録の写真撮影など、仕事内容を考え、分担すれば、未経験者でも現場でできる仕事は多くあります。しかも最近ではデジタル化が進行し、スマホなどを使い慣れた若い人の方が仕事の理解も早く、活躍の場を広げています。
その最たる例が、まさに工程記録のレポート作成です。以前はチョークで状況を記した小さな黒板と一緒に現場の写真をデジカメで撮り、夜、現場事務所に戻ってから二人がかりの作業でレポート作成に追われていました。
しかし今は、タブレット端末で現場を撮ると、自動的にその画像がクラウド上の保存場所に納まります。こちらで行うのはタイトルを付けることくらいで、一人で短時間で済むようになりました。
今後、デジタルツールがさらに増えてくると、抵抗感なく使いこなせる若手に期待することも多くなるのではないかと思います。未経験者の新たな活躍の場が見出せそうです。
