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36協定で猶予が適用される事業・業務5つ|36協定の基礎知識も解説

更新日:2021年2月16日

36協定における適用除外とは?

会社は、労働組合等と書面による協定を結び、労働基準監督署に届け出ることで法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた業務を命じることが可能になり、この協定を36協定といいます。

しかし、36協定を締結した場合であっても、労働者の年齢及び事業・業務によっては適用除外となります。

36協定について

労働基準法第32条には、使用者は法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働は命ぜられないと定めています。

しかし、労働基準法第36条に基づく労使協定を締結し労働基準監督署に届け出ることで、法定労働時間を超えた時間外労働や休日労働を命じることが可能になります。

労働基準法第36条に基づく行為であることから、「36協定」と呼ばれています。

36協定が適用除外されるケース3つ

冒頭で触れたとおり、36協定が締結されていた場合であっても、状況に応じて適用除外となるケースが3つあります。

それは、労働者が18歳未満の場合、育児又は介護を理由とする請求があった場合及び妊産婦である場合の3つです。

適用除外となるそれぞれの内容について紹介していきます。

36協定が適用除外されるケース1:18歳未満の場合

労働者が18歳未満の場合は、36協定が締結されていても使用者は時間外労働等を命じることはできません。

労働基準法第60条には、18歳未満の労働者に対する制限が設けられており、フレックスタイム制或いは36協定による時間外労働及び休日労働は適用されないとなっています。

なお、18歳未満の労働者本人から時間外労働の申し出があった場合でも、認めることはできません。

36協定が適用除外されるケース2:育児・介護を理由の請求があった場合

また、時間外労働の命令が発せられても、労働者から育児又は介護を理由とした場合、36協定の適用除外となります。

育児介護休業法には、子供が小学校就学の始期に達するまでの場合や家族介護の労働者の請求がある場合は、1月24時間の労働時間、また1年について150時間を越えて労働時間を延長できないことになっています。

36協定が適用除外されるケース3:妊産婦の場合

36協定が適用除外となる最後のケースは、妊産婦の場合です。

労働基準法第66条により、妊娠中及び産後1年未満の女性労働者は、36協定を締結していても法定労働時間を超えた労働はできません。また、午後10時から午前5時までの深夜帯の労働もできません。

ケース1から3のいずれにおいても、労働者本人の申し出に関係なく時間外労働等は制限されますので注意が必要です。

36協定で猶予が適用される事業・業務5つ

36協定に関する法改正の中、下記の事業・業務については時間外労働の上限規制の猶予が適用されます。

該当する事業・業務とは、建設事業、医療業務、運転がメインの業務、鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造の事業及び研究開発に係る業務の5つです。

なお、これらの事業・業務は、2024年3月31日まで上限規制の適用が猶予されます。

36協定で猶予が適用される事業・業務1:建設事業

建築事業において36協定の猶予が適用される根拠は、労働基準法第69条に示されています。

建設事業とは、土木、建築その他工作物の建設、保存、修理、破壊、解体又はその準備の事業等が含まれます。

ただし、測量、建築設計などは建築事業に類似する業務内容ですが、これらの業務に猶予は適用されません。

36協定で猶予が適用される事業・業務2:医療業務

労働基準法第141条により、医療業務は36協定における猶予が適用されます。

なお、医療業務とは医師を指すものであり、医療業務に関連する医療事務員、看護師、歯科技師及び薬剤師等については、適用が猶予されることはありません。

また、猶予期間終了後(2024年4月1日以降)の取扱いについては、今後、省令で定める予定となっています。

36協定で猶予が適用される事業・業務3:運転がメインの業務

運転をメインとする業務についても、36協定の上限時間が適用されません。

運転をメインにする主な業務とは、トラック、タクシー、ハイヤー及びバスなどの運転手を指し、あくまでも運転がメインの業務になることから、運送会社の事務職や営業職には適用されません。

なお、猶予期間終了後の時間外労働の上限は、年間960時間となります。

36協定で猶予が適用される事業・業務4:鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造の事業

さらに、鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造の事業においても、36協定の猶予が適用されます。

鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造は、離島であることや季節業務であることを理由に、2024年3月31日までの間は上限時間が適用されません。

しかし、同年4月1日以降は一般的な36協定による上限時間が適用されますので注意が必要です。

36協定で猶予が適用される事業・業務5:研究開発に係る業務

労働基準法第36条11項により、研究開発に係る業務は、36協定で猶予が適用されます。

研究開発に係る業務には、新商品や新技術の開発など特殊性を有することから、業務の遂行方法を労働者の裁量に委ねる必要があるために、猶予が適用される背景があります。

また、1週間に40時間を超えた労働時間が1か月に100時間を超えた場合は、医師の面接指導が義務付けられています。

36協定の基礎知識3つ

労働時間に対する理解を深め、適切な労働環境を整えるためにも、36協定の基礎知識を押さえましょう。

特に確認するべき項目は、特別条項、上限規則及び罰則の3つです。

これから、36協定の基礎知識3つを紹介していきます。

三六協定の基礎知識1:特別条項

36協定を締結することで、法定労働時間を超えた労働が可能になります。しかし、通常では予見できない大幅な労働量増加が突発的に必要となった場合に限り、特別条項を行使することで更なる労働が可能となります。

しかし、常態的に特別条項を行使することはできず、使用回数は「年6回まで」と定められています。また、特別条項による時間外労働が発生した場合の残業代については、割増のうえ支給することが求められます。

三六協定の基礎知識2:上限規則

36協定では、労働者の健康管理を目的として長時間労働に対する上限規則を設けています。36協定を締結したからといって、無制限に労働を強いることはできません。

上限規則では、残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がない場合はこれを超えることはできないと定められています。

三六協定の基礎知識3:罰則

36協定を順守しなかった場合は罰則が設けられています。

36協定を締結せずに法定労働時間を超える労働があった場合や、36協定を締結するも、締結内容を超える労働時間があった場合などは、36協定違反として罰則を受けることがあります。

しかし、36協定違反があったとしても即座に罰則を受けることはなく、まずは労働基準監督署から是正勧告があります。この是正勧告に従わない場合は6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金を処するとなっています。

施工管理・現場監督を採用にするには36協定への理解が必要?

建設業は猶予期間中の取扱いであることから、労働時間の上限規制は適用されません。

しかし、猶予期間が終了する2024年4月1日以降は、災害復旧や復興事業を除いたすべてに上限規制が適用されることから、施工管理・現場監督を採用する際は36協定への理解が必要になります。

36協定の適用除外を理解して正しく運用しよう

36協定を締結した場合であっても、事業内容や特殊性を有する業務によっては、36協定で定めた時間を超えた労働が可能です。

一方、本記事で紹介した36協定が適用除外されるケースで触れたとおり、該当する事業内容であっても、担当する職務内容によっては事業所内の全労働者が適用除外になるとは限りません。また、18歳未満や妊産婦などの労働者も適用除外となるので注意が必要です。

36協定を正しく理解し、使用者及び労働者双方にとって働きやすい環境を作りましょう。

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