年間1,600名もの技術者を採用する夢真。そのほとんどが建設業界未経験者です。そこで夢真では、入社当日から約2週間に渡る入社時研修を実施。ヒューマンスキル・ビジネスマナー、施工管理、CADの3分野で必要最低限の知識を指導し、現場での稼働に繋げています。
今回から3回に渡り、研修担当者の3名から入社時研修の内容と、その目指すところをご紹介いただきます。第1回目は受講者のプロフィールや研修会場等についてお話を伺いました。
登場人物プロフィール
名前
羽田 周氏
人材開発部係長 ヒューマンスキル・ビジネスマナー研修担当 2015年入社
名前
田﨑 功祐氏
人材開発部主任 施工管理実務研修担当 2015年入社
名前
茅原 拓也氏
人材開発部主任 CADオペレーター研修担当 2014年入社
研修受講者は、25歳前後の男性が多数。最近は女性も増加中
研修を受講されるのは、どのような方が多いですか?
羽田:
7~8割が男性ですが、年々女性比率も高まっています。これは今の建設業界全体の動向と通ずるところがあります。
また、年齢は18、19歳くらいから30代半ばまでと幅広く受講いただいておりますが、特に多いのは25歳前後ですね。
田﨑:
中途入社の方が多いのですが、前職で建設業を経験されている方は多くなく、むしろ未経験からチャレンジする方が多いです。
羽田:
そうですね。社会人歴2~3年という方が多いです。
また、どのようなことを経験してきたかは人それぞれで、例えば、ビジネスマナーでも、名刺交換は習得済みという方もいれば、前職で経験しなかったため初めて学ぶという方もいらっしゃいます。
研修の中でその個人差をどう縮めていくかは常に考えている課題の一つです。
約2週間の充実した入社時研修を実施
研修はどんなスケジュールで行われるのでしょうか?
羽田:
7月第一週の入社、第二週の入社…というように、週ごとに入社日を設けており、毎週約20~30名、多い場合は約50名が入社することもあるのですが、入社当日から研修を行っています。
田﨑:
研修期間は最低9営業日。約2週間です。最初の3日間はヒューマンスキルやビジネスマナー、企業理念、業界動向などがテーマとなり、羽田さんはこちらの講座を担当しています。
4日目以降は施工管理・CADの業種別に分かれて、それぞれの専門分野を習得。私は施工管理の講座を、茅原さんはCADの講座を担当しています。
研修が終わると、その後は稼働という流れになりますか?
田﨑:
研修終了までに配属先が決まれば、研修後すぐに稼働となります。稼働先が決まっていない場合は、研修カリキュラムの復習をするなど、稼働に向けた準備を行います。
また、稼働日まで余裕があり、更に測量の仕方や写真撮影など配属先の業務内容が把握できている場合、それに合わせた実践的な指導も行います。
研修担当と営業がしっかりと連携し、現場に強い技術者を育てることを心がけています。
夢トレなら、現場さながらの実習もできる
研修はどこで行われていますか?会場について教えてください。
羽田:
「夢トレ」と呼ばれる夢真独自の研修センターです。
1階は足場や型枠見本を設置している実技スペースで、2・3階が座学スペースです。
茅原:
実技スペースには実際の現場にもある安全掲示板を設置しており、その前で朝礼時の注意事項を発表する実習も行っています。
場所のイメージとしては、12~13階建て新築マンションの工事現場と同じような感じです。
田﨑:また実際の現場では作業工程を記録するための工事写真の撮影も大切な仕事の一つであるため、型枠見本の前で黒板を持って工事写真を撮る実習も行います。
測量器も何台かあるので、実技スペース内を測量し、機器の使い方も覚えることができます。
また、フルハーネスを着用し足場に取り付けてみることで、安全確保の方法も体感することができます。このように、現場に出た際に戸惑うことが少ないように、様々な体験活動を通して現場に関する知識を習得できるような研修を行っています。
研修センターはいつできましたか?
羽田:
2018年に開設し、2021年に現在地に移転しました。それ以前は研修センターはありませんでした。
以前は施工管理の業務も実践ではなくテキストの図表で学ぶという形でしたが、座学のみではイメージできることに限界があります。そこで研修センターを開設することで、現場で使う道具に触れたり、使い方を覚えたりすることができ、より研修内容の理解度を高めることができるようになりました。
田﨑:
そうですね。実技と座学のスペースを分けたことで、一度に複数のカリキュラムが組めるようになりましたね。
茅原:
現場の業務内容や技術者に対する情報については、営業の方から「このような現場なので、この技術を取得してきてほしい」というように逐一伝えていただいています。それらにできる限り応えるため、実践的且つ豊富なカリキュラムに対応できる夢トレは大いに役立っています。
・所在地:東京都江東区潮見2-2-3
2018年に大田区流通センターにオープン。2021年に移転し、現在は江東区潮見に3階建ての研修施設を備えている。
研修期間に習得を目指すのは、現場や社会人としての常識
夢トレでは実習による知識を身に着けることができると伺いましたが、研修全体ではどのようなことを目標としていますか?
田﨑:
施工管理の講座では、現場で必要となる最低限の知識や常識を研修を通して学んでほしいと思います。具体的には、工程や現場で注意することなど、「現場での常識」です。
その理由は何ですか?
田﨑:
研修センターでは現場の全てを学ぶことは難しく、基礎的な内容が主です。そのような状況、また未経験の技術者の知識が浅いことに関しては、派遣先からもご理解いただいています。
ただ、現場の常識などは研修で賄える部分であるため、こちらに関しては、きちんと対応していきたいと考えています。
そのために研修担当の皆さんはどのような気持で臨んでいますか?
田﨑:
研修担当は皆、施工管理経験者です。現場で必要な知識を学んでいるし、現場の雰囲気も熟知しています。経験があるからこそ、現場に即した研修が可能ですし、そうなるように心がけています。
羽田さんはいかがですか?
羽田:
ヒューマンスキル・ビジネスマナー研修担当としても、研修で学んでほしいのは、当たり前のことが当たり前にできるようになることですね。具体的には、遅刻をしない、挨拶をする、連絡をする等々、社会人としての一般常識です。やはりそれが、人と人とが協力し合う現場では一番大切なことですから。
これまで多くの受講者が学校でも教わってきた内容に近いかと思うので、改めて聞き入れてもらうことが難しい面もあるように思います。どのような指導をしていますか?
羽田:
一般的に人は「〇〇するな」という禁止口調では反発を感じやすくなります。ですから「遅刻をするな」ではなく、「時間通りに出社しよう」と伝えるようにしています。
そして、その理由は何なのか、遅刻をしないことのメリットを考え、自分ごととしてとらえられるように働きかけています。
ヒューマンスキル研修で習得するのも、現場で求められる資質なんですね。
羽田:
はい、田﨑さんも話されていますが、派遣先は新人技術者に技術力は求めていません。でも、挨拶や連絡は普通にできるもの、と考えておられます。その期待に応えたいと思います。
茅原さんはいかがですか?
茅原:
CADはほとんどがパソコンと向き合う業務です。だから研修で目指すのは、タイピングの不安をなくすことです。
受講者のタイピングスキルは、どんなものですか?
茅原:
前職の経験等により、人それぞれです。ブラインドタッチができる方もいれば、1本指でポツポツとキーを探しながら操作する方もいます。
人それぞれなんですね。それを同じレベルまで引き上げるのは大変なことだと思います。
茅原:
そこで研修期間中は毎朝15分間のタイピング練習の時間を設けています。これにより、タイピングが得意な方は、早く的確に打てることが自分の武器になることを理解しますし、苦手な方はタイピングに慣れることができます。
CADの内容について理解するのは、その次の段階ですか?
茅原:
はい、そうですね。CADで作る設計図にはいくつかの種類があり、工程等により求められる図面は異なります。詳細は配属後のOJTで学びますが、どの図面でも基本的なコマンドは変わらないので、次の段階では最低限のコマンドをマスターできるようにしています。
未経験者を指導するのは様々な苦労もあると思いますが、いかがですか?
茅原:
施工管理同様、CADオペレーターも研修を受けるまではCADに触ったこともないという未経験者ばかりです。しかし、研修を行い知識や経験を身に着けていくことで、現場に出た際に活躍してもらえることを目指し、日々指導にあたっています。
最後に
研修担当インタビューの第1回目では、研修内容や環境といった、研修の概要や目的についてインタビューしました。
未経験者でもギャップがなく現場で稼働できるのは、人材開発部研修チームによる基礎的な研修、更に「夢トレ」での実践的な研修があってこそといえます。
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