夢真が関わる現場でエンジニアフォロー(以下EF)の姿を見かけることが増えています。徐々に存在感を増している夢真のEFですが、3回目のインタビューでは、技術社員とのエピソードや現場からの反響、現在の課題、そしてこれからの展望についてお話を伺いました。
登場人物プロフィール
名前
中嶋 将氏:
エンジニアフォロー企画推進部EF1課 2017年入社
入社後3年半ほど大手ハウスメーカーの現場で施工管理職に従事。2021年からエンジニアフォロー企画推進部に配属。
名前
喜多川 秀成氏:
エンジニアフォロー企画推進部EF1課 2020年入社
入社後、舗装会社や大手ハウスメーカーの地方の現場で施工管理職に従事。2021年からエンジニアフォロー企画推進部に配属。
一緒に課題解決に当たってきた!印象に残る技術社員のエピソード
―これまでの経験の中で、印象に残る技術社員のエピソードを教えてください。
中嶋:
ワークライフバランスを上手に充実させ両立できている技術社員がいます。
―どのような技術社員ですか。
中嶋:
元々仕事とプライベートを両立させたいという意識が強く、土曜出勤や残業は少ない方がいいという考えの方です。友人が当社で働いていて、その現場は土曜出勤が月に1度しかないということを聞いたらしく、「そんな現場で働けるなら」と当社に入社しました。
―現場への条件が厳しめですね。
中嶋:
そうなんです。あまりその条件ばかりにこだわると、本人のポテンシャルを引き出せないままになってしまうかもしれないと思いました。
―どのように対応されたのですか。
中嶋:
本人の希望に合う現場を担当営業に探してもらいつつ、私は「自分の可能性を引き出せる現場で頑張ってみよう」と彼を説得しました。
「現場で活躍して技術力を高めれば、選択肢は更に広がるので、今は色々なことにチャレンジしてみよう。それがこれからの仕事人生にきっと役立つから」と話をしました。
―その後、その方はどのような働き方をされているのでしょうか。
中嶋:
様々な業務を経験しスキルも身に着けたことで、今では残業が少なめで休日出勤すれば振替休日が得られるという本人の希望に近い現場で活躍しています。プライベートも充実しているようで、旅行に行った話なども聞きます。さらに現在は電気工事士の資格取得も目指しており、さらなる挑戦も行っています。
―本人の希望に近い形で充実して働かれているのですね。
中嶋:
当初の希望だけでなく、現場に出てみて初めて分かる良さもあります。そのことを理解し入社時から視野を広げてくれてよかったと思いました。
―喜多川さんがこれまでの経験の中で印象に残る技術社員とのエピソードを教えてください。
喜多川:
現場で少し浮いた存在になっていた技術社員の悩み相談です。
―どのような技術社員ですか。
喜多川:
一級電気工事士など高度な資格をいくつも保有している技術社員です。「これだけの努力をしてきた」という自負があったのですが、現場の所長など周りの人は資格を持つ人が少なく、新入りの技術社員がたくさん資格を持っていることに反発を持っているように、本人は感じていました。
―それで現場に馴染めないと、喜多川さんに相談があったのですか。
喜多川:
そうです。自分の話を聞いてもらえない、という疎外感を持ち、現場では誰にも心を開いていないようでした。もやもやした自分の気持ちをどうすることもできないので、「海に向かって叫んできます!」と言っていたこともあります。
勉強熱心で頑張っている彼の姿を見て、強く応援したいと感じました。その上で、今後の方向性を提案しました。
―どのように対応されたのですか。
喜多川:
誰かに伝えないと落ち着かない、仕事に専念できないという彼の気持ちを受け止め、私が聴き役になりました。すべて一人で解決する必要がないことが分かると、彼も少し安心したようです。
一方、現場を訪問し所長さんの話を聞くと、彼の至らない点も分かりました。彼の気持ちが落ち着いたところで改善提案をすると、素直に聞き入れてくれました。
―その後はどうですか。
喜多川:
彼なりに現場での姿勢を変えたところ、契約満了まで良好な関係を築くことができたようです。また、「喜多川さんがEF担当でよかったです」と言っていただき、ホッとしました。
―それはよかったです。メンタル面でのエピソードでしたが、フォローの際に何か心がけていることはありますか。
喜多川:
仕事という枠を超えて、一人の人間として接することを意識しています。EFとして知り合えたのも何かの縁。その縁を大事にしています。
―なるほど、仕事を超えた人との縁なのですね。
中嶋:
喜多川さんは、誰よりも群を抜いた気遣いができる素晴らしい人。技術社員一人ひとりのことを思って接しているから、周りからの信頼が厚いのだと思います。
喜多川:
そういう中嶋さんも、気持ちが前向きで相手のいいところを見つけることが得意な方です。技術社員の努力をきちんと伝えられるから、私たち同僚や担当営業にとって頼もしい存在です。
現場からも喜ばれているEF制度導入
―EFの導入を現場の皆さんはどのように受け止めていますか。EFや担当営業と現場の所長さんとの間で情報共有もされているのでしょうか。
中嶋:
EFが訪問した記録を「訪問報告メール」にまとめ、EFの上長、担当営業、担当営業の上長で共有しています。さらに担当営業から現場の所長さんにも送っています。
―どんな情報を共有しているのですか。
中嶋:
技術社員の担当業務や現場状況、人間関係、勤怠状況、本人のモチベーションなどです。
―現場の所長さんは、日々技術社員の姿を見ていると思いますが…
中嶋:
はい。現場での距離は近いのですが、心の内までは見えないことも多いようです。技術社員は誰に相談すればいいのか分からないようなことを、EFに相談してくることもあります。
―メールを通じて現場の所長さんも技術社員への理解が深まっているのですね。
中嶋:
はい。「〇〇さんの悩みや頑張っている様子が分かるようになった」と、現場の所長さんからお声をいただいています。
―所長さんも技術社員との関係構築に悩まれている、ということでしょうか。
喜多川:
そうですね。派遣社員を初めて導入する所長さんは、未経験の技術社員にどこまで任せていいのか決めかねているようです。それから、労基法の適用除外業務、職人さんと施工管理者の業務の線引きについても、よく相談を受けます。
―それは担当営業に、ではなく、EFに声がかかるのでしょうか。
喜多川:
所長さんからみると、EFも担当営業も同じ夢真の人間ですので、「現場に来た夢真の人に相談した」という感覚です。ですからEFの私たちが、役割的には担当営業への相談事項である「人員を追加したい」という話を伺うこともあります。ですので、EFから担当営業への情報共有は欠かせません。
―そうすると、EFの導入で現場とのパイプがより太くなった感じでしょうか。
喜多川:
そうですね。現場の所長さんも「以前よりも夢真さんがよく来てくれるようになった」と喜んでいただいています。話をしたい時に話しやすい所にいるというのは、現場にとってもいいことだと思います。
知名度やヒアリング力など、課題も山積
―2021年初夏から本格稼働が始まったEF制度。これまでのお話から、技術社員からも現場からも頼りにされ順調に稼働しているように思いますが、何か課題はありますか。
喜多川:
EFは夢真ならではの制度で、他のアウトソーシング企業にはない役割です。そのため、EFの役割や有効性が広く知られているわけではありません。特に新規取引先では、「現場の邪魔になる」とか「部外者は入るな」と思われている現場がまだあります。
―何か対策を講じていますか。
喜多川:
EFの役割そのものに関しては、技術社員をフォローする存在だということを技術社員を取り巻く様々な場面の中で見せていくことだと思います。これまでお話してきた、現場の所長さんとの情報共有や技術社員の悩み解決などですね。
―それ以外に何かありますか。
喜多川:
見た目からの訴求として、EFのユニフォームを作り、現場を訪問する時に着用しています。蛍光オレンジのかなり派手な作業着で、広い現場でも目立ちます。現場の所長さんからは「目がチカチカする」と言われています(笑)
―それは存在感がありそうですね。
喜多川:
他にも、現場で使えるノベルティグッズを現場に持参しています。訪問時には技術社員だけでなく、所長さんとも積極的にお話して、夢真の知名度向上に努めています。
―中嶋さんは何か課題だと感じていることはありますか。
中嶋:
これは場当たり的な対処では解決は難しい永遠の課題かも知れませんが、EFのヒアリング力はどうあるべきかということを常に考えています。
―技術社員から聞き出す力ですか。
中嶋:
そうです。技術社員の本音を聞き出せているのか、時々考えさせられることが起きるのです。
―それはどのようなことですか。
中嶋:
訪問した時は「問題ありません」「人間関係も良好です」と前向きな回答だったのにも関わらず、数日後に退職してしまう技術社員が過去にいました。自分が訪問した時は悩みがある素振りもなかったので、とても驚きました。
―EFの皆さんからしてみると、ショックですよね。
中嶋:
はい。このようなことがあると、私たちは本当に本音を引き出せるヒアリングができているのかと考えてしまいます。もしかしたら口先だけで「大丈夫です」と言わせてしまうようなヒアリングなのではないかとも思います。
―それは中々難しい問題かと思います。
中嶋:
これができればOKという「正解のヒアリング」というものはないので、本音を引き出すことは簡単ではありません。しかし私たちは、それを諦めてはいけないと思っています。
―より良いヒアリングについて、具体的に考えていることはありますか。
中嶋:
現状に満足することなく、常にレベルアップしていきたいと思います。例えば、少し深い話を聞き取るには電話がいいのか対面がいいのかという細かいことをはじめ、色々なケースを経験しナレッジを深めていきたいです。また、ヒアリング力だけでなく、本音を言い合える関係性の構築ができるように引き続き試行錯誤していきます。
EFの人数を増やし、技術社員をサポートし、働きやすい環境を作りたい
―現状の課題も含め、多くのお話を伺いました。今後はどのようなことを目指していきたいと思いますか。
中嶋:
EFの人数を増やしていきたいと思います。現状では未経験の新人技術社員に対し100%担当をつけることができていますが、入社3年以上の中堅やベテランの技術社員に対しては選択制としています。
―中堅以上の技術社員は充分経験値があるので、EFに相談しなくても自分で乗り切ることができるというお話でした。
中嶋:
確かにその通りですが、EFを導入して、会社に対して色々な意見をお持ちの方がいることが分かりました。そこで全ての中堅社員にEFが付くようになれば、今まで以上に多くの意見を聞き取れるのではないかと思います。
中堅技術社員にとっても、担当営業に加えて会社との接点が一つ増えるということです。担当営業に連絡がつかなければEFに連絡を、という選択肢になれると思います。
喜多川:
私も年次やキャリアに関わらず、技術社員1人に対してEF 1人が担当するというのが理想的ではないかと思います。
さらに私は、担当営業✕技術社員✕EFのチーム制を作りたいと思います。
―チーム制ですか。
喜多川:
現在は案件ごとのピックアップ制で、契約が満了になると今の担当営業✕技術社員✕EFの接点がなくなります。そのため、せっかく良好な関係性を築けていてもその契約限りになってしまいます。
―チーム制によるメリットは何ですか。
喜多川:
技術社員は自分の技術が会社の利益に貢献しているという意識を持っています。また、担当営業も利益については常に考えています。彼らを繋ぐのがEFです。
三者がチームになり、三者で利益を生むという仕組みができれば、技術社員にとって、単に指示された案件に臨むというだけでなく新たなやりがいに繋がると思います。
―技術社員の利益貢献度が明確になる、ということですか。
喜多川:
はい、そうです。それに技術社員は稼働先の現場で稼働先の所長さんや社員と長い時間を共に過ごしています。それゆえ自分も稼働先の社員のような気分に陥ることもあり、夢真への帰属意識を持ちにくくなっています。
最近はEFとのやり取りが帰属意識を刺激していると思いますが、更にチーム制を導入しチームによる評価を行うことで、「夢真の一員だ」という意識が明確になります。そして、技術社員の帰属意識も高められると思います。
最後に
夢真のEFインタビューの第3回目では、印象に残る技術社員や現場からの反響、課題について話を聞きました。
EFが導入されて約1年ほど。現場の皆さんにも徐々に知られる存在になりつつあり、夢真との距離の近さを感じていただいています。技術社員をフォローするのはもちろん、よりよい現場運営にも貢献できるのがEFなのです。
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3回に渡るインタビューをここまでお読みいただき、ありがとうございました。貴社の現場運営の参考になれば幸いです。
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