施工管理にi-Constructionを導入するメリット4つ|活用例とは?

安全管理 2021.04.8 2021.04.5
施工管理にi-Constructionを導入するメリット4つ|活用例とは?

i-Constructionとは?

i-Constructionという取り組みをご存知でしょうか。

i-Constructionは、国土交通省が進めている取り組みの1つで、建設現場にもICTなどのトップランナー施策を導入することで、生産性の向上や建設現場をより魅力的にしていこうという内容のものです。

国土交通省は、アイコンストラクション大賞を設定するなど、国をあげて取り組んでいる施策になります。

i-Constructionが始まった理由

そもそも、i-Constructionの取り組みはなぜ始まったのでしょうか。

建設現場は、バブル崩壊以後、労働力が過剰になっているため生産性が低下していますが、その多くが50代以上であり、全体の約2割が離職をする可能性があるので、将来の人手不足も懸念されています。

また、依然として労働災害の件数が多く、死傷事故率は全産業と比べるとおよそ2倍となっており、建設現場の安全性の担保も課題として挙げられます。

この状況を逆手に取り、i-Constructionを積極的に行うことで、生産性の向上を図り、安全安心な建設現場へと変えていくチャンスだと捉えられたのが始まりです。

施工管理にi-Constructionを導入するメリット4つ

では、i-Constructionを導入することによって、建設現場にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、業務の効率化、施工時期の計画の作成、人材不足の解消、施工管理において全体的に活用できるという4つの点について解説します。

1:業務の効率化を図る

まず、1つ目は、業務の効率化を図ることができる点です。

後ほど具体的にご紹介しますが、ICTの機器を導入することで、手間が簡略化されたり自動で業務を行ったりすることができますので、人員の削減にもつながるなど、様々な点で効率化することが可能です。

2:施工時期の計画の作成

施工時期の計画作成にも役立ちます。i-Constructionを導入することで、工期を適切に設定できるようになるので、閑散期・繁忙期の平準化を図ることができます。

これにより、従業員が休暇を取得しやすくなるほか、年間を通じて収入が安定するというメリットも得られます。

3:人材不足の解消につなげる

そして、人材不足の解消にもつながります。人材不足が叫ばれている建設現場において、業務の効率化をすることができるので、業務に必要な人員は必然的に削減することが可能になります。

重機周りの補助作業や丁張り設置作業は不要になるので、オペレータ以外の技能労働者は約1/3で済むようになります。

4:施工管理において全体的に活用できる

最後に、施工管理において全体的に活用できるようにもなります。測量、設計・施工計画、施工、検査などのあらゆる工程におけるデータを相互に対応させることができるようになります。

これにより、様々なデータをクラウドで一元管理し、自動で計算なども行ってくれるようになるため、あらゆる作業が簡略化、または自動化することができます。

施工管理におけるi-Constructionの活用例3つ

続いて、実際にi-Constructionをどのように活用しているのかについても見ていきます。ここでは、具体的にICT建機、ドローン、CIMの3つのパターンをメインに紹介します。

1:ICT建機の場合

ICT建機を使用すると、様々な点で業務を効率化することができます。

具体的には、位置を測る技術(測位技術)、機械施工を効率的に行う技術、品質管理を確実に行う技術、出来形管理を効率的に行う技術をICT建機でできるようになります。

作業が効率化できるだけでなく、質が担保されるので信頼性の向上にもつながります。

2:ドローンの場合

ドローンは、測量を効率的に行う手助けをしてくれます。

ドローンを使用することで、従来の測量よりも短時間で高密度な3次元の測量を行うことが可能になります。後ほど紹介しますが、現場によっては半分以上も時間を短縮することができています。

3:CIMの場合

CIMとは、Construction Information Modelingの略称で、建設事業全体での生産性の向上を図ることを目的としています。

具体的には、情報の有効活用や設計の最適化、施工の効率化、高度化、維持管理の効率化、高度化など、様々な利点をもたらします。

以上のことが可能になるのは、様々なデータを全工程を通して可視化することができるようになることが大きな要因となっています。

i-Constructionを活用した事例とは?

最後に、i-Constructionを実際に活用している事例を2つ紹介します。

北海道千歳市では、道路の改良工事を行っていますが、そこではドローンでの測定やICTブルドーザーを活用しています。

現場の声としては、測量が1週間から3日に短縮できたほか、高精度で均質な作業をすることができたり、作業員の配置を減らすことができたおかげで、重機との接触の危険性が大幅に軽減されたりしているということが挙げられています。

また、岐阜県高山市の道路建設の例もご紹介します。

こちらでは、従来の手法では36日かかっていた測量をわずか3日で終わらせることができるようになりました。

千歳市の例と同様、作業の精度が向上したり、安全性が増したほか、工期の遅延もなく、円滑に作業を進める意ことができたということが、現場の声として挙がっています。

人材採用に向けてi-Constructionへの理解を深めよう

ご覧いただいた通り、i-Constructionを活用することで、作業を効率化することができ人員の削減に繋がったり、手作業よりも作業の精度が向上したりできます。

施工管理を担当される方の採用を考えている方は、i-Constructionへの理解を深めてから担当者の検討をすることで、より効率的に現場を運営することが可能になります。

ぜひ、この内容を参考にしてみてください。


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