建設業許可番号について|建設業許可番号の資格取得条件5選などを紹介

労務 2021.04.12 2021.04.12
建設業許可番号について|建設業許可番号の資格取得条件5選などを紹介

建設業許可番号について


建設業許可番号とは、建設業許可を取得した業者の許可内容を表示した番号です。

建設業を営む場合、所轄に申請して許可を得ます。建築一式工事では、請負代金が1500万円以上、木造住宅工事で延床面積が150m²以上の工事、それ以外の工事では500万円以上が対象です。

公共工事も民間工事の建設業許可が必要ですが、上記の金額以下の工事だけを手掛ける場合は不要です。

出典:建設業の許可|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html

建設業許可番号の区分3選


建設業許可番号は、3種類の内容を示します。

建設業許可の認可先を示す「知事許可」と「大臣許可」、建設業の区分を示す「一般建設業」と「特定建設業」、会社毎の固有番号です。省略して記載されているものもあります。

それぞれの区分と意味を紹介します。

1:知事許可と大臣許可

建設業許可が都道府県知事の場合は「△△県知事許可」、大臣許可の場合は「国土交通大臣許可」が建設業許可番号のはじめに記載されます。

建設業許可は、1つの都道府県内だけに営業所がある業者は都道府県知事許可、複数の都道府県内に営業所がある業者は国土交通大臣許可です。

営業所とは建設工事の請負契約を行う店舗で、契約を行わない店舗は対象外です。施工現場は営業所がある都道府県内に限定されません。

2:一般建設業と特定建設業

建設業許可番号で(般-◇◇)は一般建設業、(特-◇◇)は特定建設業を指します。

一般建設業とは、建設工事が4000万円または建築工事で6000万円以下の下請契約の工事を請負う許可です。特定建設業はそれ以上の下請工事を受注できます。どちらも直接受注する工事代金に制限はありません。

建設業許可番号の◇◇は建設業許可を取得した元号年で、5年毎に更新です。期限の30日前までに行わないと失効します。

3:会社毎の番号

建設業許可番号の第□□□□□□号は会社毎の番号です。

会社毎の番号は6桁で、電子入札システムなどで入力する場合、桁数が足りない業者は前に0を付けて桁数を合わせます。大臣許可は「00」知事許可は各都道府県の知事コード(都道府県番号)、年号は2桁表記です。

建設業許可は業種別許可制もあり、2つの一式工事と27の専門工事に分類されます。2つ以上の取得も可能で、その際は建設業許可番号も業種毎の取得です。

建設業許可番号の資格取得条件5選


建設業許可番号の資格を取得する条件は、建設業法に規定されます。

知事許可も大臣許可も、取得条件は同じです。経営管理を適正に行い、専任技術者の雇用など4つの条件と、14の欠格要件に該当しないことが定められています。

4つの条件と欠格要件の中からいくつかを紹介します。

出典:許可の要件|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

1:管理責任者が経営幹部とされていること

建設業の経営は他の業種と異なる特徴を有するため、管理責任者が経営幹部を務めます。

管理責任者の条件は、建設業の経営業務経験が5年以上、補佐業務は6年以上必要です。法人の場合は常勤役員、個人経営の場合は本人または支配人が該当します。他企業との兼任は認められません。

該当者が退職などで不在になった時は、建設業許可が取り消されます。不在期間がないよう、後任準備が必要です。

2:お金に関することに問題がないか

お金に関する条件は、一般建設業と特定建設業では異なります。

一般建設業は自己資本が500万円以上、資金調達能力が500万円以上、更新や他区分申請の際は直近5年間の営業実績のどれかです。特定建設業は資本金2000万円以上かつ自己資本金4000万円以上、流動比率が75%以上、欠損額が資本金の20%未満全てが条件です。

着手前の準備や代金受け取りまでの、経営体力が求められます。

3:契約を誠実に守れる人間であるか

請負契約を誠実に守れない人間は、建設業許可番号の取得はできません。

建設業は高額の民間工事も公共工事も受注するため、不誠実または不正が起こる可能性を排除しなければなりません。対象は許可を受ける個人や法人だけでなく、営業取引を担当する役員も含まれます。

誠実性を求める観点から、社会保険への加入も必須条件です。健康保険や厚生年金保険、雇用保険など全ての営業所が求められます。

4:専任技術者を雇っているか

営業所毎の専任技術者の配置は許可要件のため、建設業許可番号の取得後の不在は取消の対象です。

一般建設業と特定建設業では、専任技術者の条件が異なります。それぞれ実務経験や保有する資格が規定されます。特定建設業では施工管理経験が重視され、指定建設業を取得する場合は国家資格者が必須です。

専任技術者は、営業所間の兼任も認められません。資格更新など会社側も確認を怠らないようにします。

5:欠格要件を満たしていないこと

建設業許可を取得後、罰則や処分後に一定期間を経過しない場合などは、欠格要件です。 欠格要件の対象は、法人や経営者だけでなく、役員及び支店長や営業所長の不正行為も対象です。

建設業許可番号を取得するための申請書類などに、重要事項の記載漏れや虚偽の記載があった場合は、申請が認められません。

建設業許可番号を変更するタイミング8選


建設業許可番号を取得後、場合によっては番号を変更することもあります。

様々なパターンがありますが、許可区分や事業規模、営業区域の変更などが主なものです。この他に、有効期限内の更新ミスなど過失が原因の場合もあります。

建設業許可番号に関する業務は経営管理者ですが、施工管理者も無関係ではありません。事業実態や計画に即した変更を確認します。

1:事務所が変わった際に更新時期だった場合

同一の都道府県内で営業所を移転した際、更新時期が重なると管轄の土木事務所の変更により、建設業許可番号が変わることがあります。

各都道府県には複数の土木事務所が設置されています。それぞれ管轄があり、発行する許可番号が異なります。都道府県内の移転でも、更新手続きが移動後の管轄になり、更新後の許可番号が自動的に変更されます。

更新時期と同時期の移転は、標識や名刺など想定外の経費も必要です。

2:一般建設業許可から特定建設業許可に変更する場合

一般建設業者が事業規模を拡大して、建設工事の下請請負金額を4,000万円以上(建築工事は6,000万円以上)にする場合、一般建設業許可から特定建設業許可に変更して、新しい建設業許可番号を取得します。

手続き区分は、「般・特新規」です。特定建設業は要件が厳しくなり、申請書類も格段に増えるため十分な準備が必要です。

専任技術者も資格が重視されます。施工管理者としてワンランク上の資格取得を目指します。

3:特定建設業許可から一般建設業許可に変更する場合

特定建設業許可から一般建設業許可に変更する際も「般・特新規」申請です。

特定建設業許可全てを一般建設業許可に変更する場合は、特定を廃業して新規で一般を申請します。

一部の工事区分を変更する場合は、該当区分だけを廃業して一般を申請します。この場合、特定建設業許可と一般建設業許可の両方を所有し、それぞれ新しい建設業許可番号に変更です。

4:知事許可から大臣許可に変更する場合

1つの都道府県に営業所を設置していた建設業者が他の都道府県内に営業所を追加出店する場合は、知事許可から大臣許可に変更して、新しい建設業許可番号を取得します。

申請は「許可換え新規」です。従来の営業所を残して新規出店する他、全ての営業所を廃止して新規で別の都道府県で営業する場合も、複数の都道府県にかかる場合は同様の手続きを行います。

複数の都道府県で施工しても営業所がなければ、変更は不要です。

5:大臣許可から知事許可に変更する場合

建設業許可を大臣許可から知事許可に変更する場合も、建設業許可番号は変わります。

営業所を集約して経費を節減できます。知事許可は地元企業としてアピールし、地域に密着したスタイルに適します。専門工事業は、許可の区分と施工範囲に影響を受けないため、自社の強みを発揮できます。

許可区分が変更されても、施工現場毎の施工管理者数は変わりません。適正な人数を確保し、品質向上に努めます。

6:有効期間が過ぎてしまった場合

建設業許可は5年毎に更新するため、有効期限内に手続きが完了しなければ、現在の建設業許可番号は失効します。

申請しても即日交付されません。有効期間満了の30日前までに申請します。知事許可は3カ月前、大臣許可は6カ月前から申請可能です。

契約済みの工事は、建設業許可が失効しても施工可能です。

7:個人事業主から会社を設立し代表になった場合

個人事業主から法人になった場合、建設業許可を受けた個人を廃業して法人で建設業許可番号を新たに取得します。個人事業主の居住地と法人の登記上の本店が異なる場合は、法人を管轄する土木事務所に新規の申請を行います。

個人事業主の住所と営業所の住所が異なる場合は、変更届などは営業所の住所を記載しますが、廃業届は住民票の住所を記入します。

8:移転し都道府県が変わった場合

個人事業主や営業所の統廃合などによって都道府県が変わった場合、許可換え新規手続きです。

都道府県知事許可の場合、1つの都道府県内の営業所が許可対象です。移転して都道府県が変わった場合は、新しい建設業許可番号を取得します。

大臣許可の場合、移転しても複数の都道府県に営業所があれば、営業所の移転届を30日以内に管轄の土木事務所に提出します。この場合、番号は変わりません。

建設業許可番号の変更時に必要な手順について


建設業許可番号の変更などを行う場合、必要書類と収入印紙(証紙)などの手数料を添え、知事許可は所轄の土木(建設)事務所、大臣許可は本店所在地または主たる営業所の所在地の都道府県庁に持参です。

申請時は、提出が義務付けられている決算書や法人の役員など登記変更の有無も確認されます。未提出書類があれば持参します。

提出は平日の受付時間内です。許可期限が土日祝日であっても、延期されません。

建設業許可番号について理解しよう


建設業許可番号は建設業許可が認められた場合に交付される会社毎の番号です。

許可区分と申請年号などが記載され、1つの業者が複数保有や途中で変更する場合もあります。許可番号を取得後、申請内容に変更があれば速やかに届出、5年毎に更新します。

専任技術者の配置も申請要件です。施工管理者は求められる資格の保有を目指し、更新を怠らないようにします。建設業許可番号に対する理解を深めましょう。


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