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ICT建機とは|ICT建機の操作上の魅力3つやICT建機の種類について紹介

更新日:2021年4月13日

ICT建機とは


ICT建機とは、情報通信技術を取り入れた重機のことです。ICTはInformartion and Communication Technologyの略語で、情報通信技術を意味します。建機は建設業で用いる重機を指すため、ICT建機は情報通信技術を導入した建設業における重機ということになります。

出典:ICT建設機械 精度確認要領(案)|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001284056.pdf

建設業界におけるICT施工とは

ICT建機を使った情報化施工(ICT施工)は、2008年から土木工事の分野で導入が開始されました。

情報通信技術を用いることで、2D・3Dの設計データを基に座標を検測することができます。これまでの座標計算は図面情報に基づいて行なっていため、ICTにより検測が簡略されます。

また、従来は丁張の設計・施工・検測も人の手で行うことが主流でした。丁張は工程を進める中で設計から検測といった一連の作業を繰り返す必要があり、人の手では時間も労力もかかります。ICT施工では人の手を不要とするため、従来に比べて工期や労働時間が短縮されます。

さらに、表土除去を行う時には、施工対象の土地形状に応じてmm単位の設定ができます。扱う土砂のサイズにより近い設定にすることで、工事によって発生する土壌量を極力減らすことができます。撤去や掃除の手間と時間が減り、廃棄にかかる費用も抑えることが可能です。

ICT施工におけるICT建機の役割

ICT建機は、ICT施工の中で主役になる存在です。情報通信技術で各生産工程から得た電子情報を活かして、工事全体の効率化・精度上昇・生産性向上・品質確保などを図ります。ICTの技術で得られた電子情報は、情報元となる生産工程だけでなく、他の工程にも活かされます。

ICT建機の種類について


ICT建機には、MCとMGがあります。MCはマシンコントロール、MGはマシンガイダンスを略した言葉です。どちらも情報通信技術で得られる位置情報を用いて操縦を行いますが、MCとMGの間には重機の制御機能に関する違いがみられます。

MC(マシンコントロール)

MC(Machine Control:マシンコントロール)は、自動制御タイプのICT建機です。自動で追尾を行う位置検測装置を用いて施工箇所の2D・3D設計データをリアルタイムで入手し、現況地盤データとの差分算出を行なった結果に沿って重機が自動的にコントロールされます。

設計ラインから外れた操作は行えず、行おうとしても自動的に重機の動きが止まってしまいます。重機の動きは、設計データと現況地盤データの差分算出から完全に決まるということです。MCの導入対象機種は、ブルドーザ・モータグレーダ・アスファルトフィニッシャなどです。

MG(マシンガイダンス)

MG(Machine Guidance:マシンガイダンス)は、操作補助タイプのICT建機です。基本的なシステムはMCと同じで、自動追尾の位置計測装置でリアルタイムに入手した設計データと現況地盤データの差分を算出します。しかし、その後の重機操作方法に違いがあります。

MCでは算出結果に基づいて重機の動きが自動コントロールされますが、MGでは算出結果が操縦席のモニターに映し出されます。オペレーターはモニターを映った内容に基づき、自力で重機を操作します。このように、MCとMGには、結果的に重機を動かす存在の違いがあります。

また、MGは操作補助の役割を持つシステムとして、施工に関する音声通知も行います。設計ラインと現状に差異が出た時、または合致度などを音声で知らせてくれます。MGの導入対象機種は、ブルドーザやバックホウなどです。

ICT建機の操作上の魅力3つ


ICT建機は、工事全体の効率化や生産性向上などを目的に導入された重機です。実際に重機を扱うオペレーター側からは賛否両論と言われていますが、事実として操作上の魅力とそれによる貢献度の高さは評価されています。

ICT建機にある操作上の魅力は、無駄な動きがないこと・イメージ通りの形になるという実感が得られること・作業中に重機の乗降が必要ないことです。このような魅力について、それぞれの詳細を以下にご紹介していきます。

1:動きに無駄がない

操作上の魅力1つ目は、動きに無駄がないことです。得られた電子情報に基づく算出結果が出ることから、無駄な動きを減らすことができます。動きに無駄がなくなることで作業効率が上昇し、後期の短縮や精度の向上につながることが期待できます。

特にMCでは重機に自動制御がかかり、オペレーターの意思を問わず動きが適切にコントロールされます。オペレーターが操作するMGでも設計ラインから外れると音声などで知らせてくれるため、無駄な動きは起きにくくなります。

2:イメージが形になることを実感できる

操作上の魅力2つ目は、イメージが形になることを実感できることです。ICT施工では完成図を2D・3Dで比較的リアルに表示するため、情報通信技術で得た設計ラインに沿って工事を進めると、大半は3次元表示で見た通りの仕上がりになります。

そのため、作る前に想像したイメージが現実的な形になることを実感しやすいと言われています。完成予定のイメージを形にするのは、オペレーターも含む現場の作業員です。実働する作業員がイメージを形にする実感を得られると、働く上でのモチベーションアップが期待できます。

3:建機から乗降する必要がない

操作上の魅力3つ目は、建機から乗降する必要がないことです。従来の方法では重機を操作する途中でも人の手による作業が必要になるため、乗降する機会が何度もあります。エンジンをかけて動く重機で乗降する頻度が高いと相応の危険があったり、寒暖の差の影響も受けます。

乗降する必要がなければ、重機に関するアクシデントの発生率が減り、作業中はエアコンが効いた車内で過ごすことができます。オペレーターの体力が維持されるため、より良い操縦につながる可能性もあります。ただし、座りっぱなしによる悪影響には注意が必要です。

ICT建機3DMC(マシンコントロール)のポイント4つ


ICT建機のMCには、2Dと3Dがあります。2D(2次元)は平面タイプで、丁張が必要・検測は人の手が最小限必要・導入コストが低いといった特徴を持ちます。3D(3次元)は立体タイプで、丁張や検測における人の手が省かれる反面、コスト面はやや気になります。

当項目では、3DMC(3次元マシンコントロール)のポイントについてご紹介していきます。そのポイントというのは、限定されないオペレーターを選び・仮設工作物が不要・頼り切らない意識・費用の高さです。それぞれの詳細を、以下にご紹介していきます。

1:オペレーターを選ばずに作業ができる

3DMCのポイント1つ目は、オペレーターを選ばずに作業ができることです。MCは自動制御タイプで、設計データなどの算出結果に基づいて重機の動きがオペレーターの意思を問わずコントロールされます。そのため、作業においてオペレーターの技量は関係ないと言われています。

MCの自動コントロールに沿って進めていけば、操作の技術が低かったり、オペレーターになりたてで経験数が足りない場合でも難しい仕上げを完了させることができます。また、表土除去時には土地形状に合わせてmm単位で設定できるため、未経験者でも効率的な除去が行えます。

2:仮設工作物が必要なくなる

3DMCのポイント2つ目は、仮設工作物が必要なくなることです。工事の着手前に建物の正確な位置を出す作業を丁張といいますが、3DのICT建機を使用する時には、丁張の設計・施工・検測が自動で行われます。そのため、3DMCでは着手前に行う丁張の作業が不要になります。

人の手による丁張が不要になることで、施工性が向上します。また、手元作業員も不要になるため、施工における安全性も上がります。人の手で丁張の検測を行なった方が信用できると言う方もいますが、誰が行なっても同じ結果が出るという意味での信用性はICTの方が高いです。

3:頼り切らないように注意する必要がある

3DMCのポイント3つ目は、頼り切らないように注意する必要があることです。自動制御によってオペレーターは設計ライン以外の操作を行えなくなるため、無駄な動きが減り、技量を問わず適切な施工を完了させることができる点は工事全体にとってのメリットになるといえます。

しかし、自動制御システムのコントロール性に頼り切りになるのは好ましくありません。なぜなら、時と場合によって人の手による判断と操作が必要になることもあるためです。自動制御の性能を疑うわけではなく、万が一の時に柔軟な対応ができるよう常に意識が必要ということです。

4:高額な費用がかかる

3DMCのポイント4つ目は、高額な費用がかかることです。MCの自動制御システムは、そのシステムが搭載されていない既存の建機に取り付けることができません。はじめからシステムを搭載して開発されている専用機の購入が必要になるため、コストはどうしても高めになります。

ICT建機3DMG(マシンガイダンス)のポイント4つ


3DのICT建機は、MGにもあります。丁張の工程が省かれたり、人の手が不要になることで安全性や正確性が増すといった特徴は、3DMCと同じく3DMG(3次元マシンガイダンス)にも存在するポイントです。

しかし、MCとMGに違いがあるように、ポイントにも多少異なる点があります。3DMGのポイントについて、以下に4つほどご紹介していきますので、参考にしてください。

1:オペレーターの経験が活かせる

3DMGのポイント1つ目は、オペレーターの経験が活かせることです。MGはMCと違い、自動制御システムは搭載されていないため、操作自体はオペレーターによって行われます。モニターに表示された通りに操作および施工を完了させる必要があるため、経験や技量が試されます。

3DMCでは、万が一の時のために便利な自動制御システムに頼り切ってはいけないといいましたが、これは技能を低下させない・向上させる意識が必要という意味でもあります。その点に関して3DMGは、自分で操作を行うため、オペレーターの腕が比較的落ちにくいと言われています。

2:オペレーターによっては完成の質に差が生まれる

3DMGのポイント2つ目は、オペレーターによっては完成の質に差が生まれることです。重機の操作自体はオペレーターが行うため、完成した時の質は各オペレーターの技量によって差が出る可能性があります。

設計ラインを外れた時には音声などでその差異を伝えてくれますが、全オペレーターがガイダンスに沿うとは限りません。特に、能力あるオペレーターほど我流や持ち前の感覚があります。自動制御が付いていないので、設計ラインから外れても操作はオペレーターの意思のままです。

3:3DMC同様に仮設工作物が必要なくなる

3DMGのポイント3つ目は、3DMC同様に仮設工作物が必要なくなることです。仮設工作物が不要になるという特徴は、MCやMGといった種類の差で該当することではなく、ICT建機全般に当てはまることです。そのため、3DMCのように、3DMGでも丁張などが不要になります。

4:比較的に安く導入ができる

3DMGのポイント4つ目は、比較的に安く導入ができることです。自動制御システムは後付け不可ですが、3DMGには自動制御がありません。3DMGにあるのは既存の建機に取り付けられる位置計測装置などですので、新たに専用機を買う必要がなく、比較的安く導入が行なえます。

ICT建機と重機オペレーターの相性に関する留意点4つ


ICT建機の導入によって効率や精度などが上がり、作業員にかかる負担も減少することが期待できます。工事においては良いことばかりに思えるICTシステムですが、実際に使う上ではいくつかの留意点が存在します。

その内容は、実働することオペレーターに関する内容が多いです。たとえば、職人気質とは相性が悪い・操作に慣れない・職人の勘を使えない・ICTの指示が難しいなどが挙げられます。導入によってメリットを活かすためにも、留意点を確認し、対策を図りましょう。

1:重機オペレーターは職人気質な方と相性が悪い場合がある

ICT建機の留意点1つ目は、職人気質な重機オペレーターと相性が悪い場合もあることです。オペレーターとしての我流のやり方(こだわり)が強い方や、実務歴が長いベテランオペレーターの中には、機械的・電子的なシステムから指示を受けることを嫌う方もいます。

上記のようなオペレーターには、確かな実力とセンス、我流や能力を主張できるだけの経験や実績があることも多いです。つまり、ICT建機がなくても正確で適切な施工を実現できるオペレーターなのです。それが事実としてあっても、会社側の観点はそこではありません。

会社側は、コスト削減と工期短縮に向けた効率化・実務的な人員の確保・システムの導入や社員育成の時短などを考える必要があります。

全員が優れたオペレーターではないことも現実ですので、会社にとってICT建機は有用ですが、必要に応じてベテランのみ既存建機を使うなど工夫しましょう。

2:設計ラインを見ながらの操作に慣れない

ICT建機の留意点2つ目は、設計ラインを見ながらの操作に慣れないことです。設計ラインはモニターに表示されますが、このモニターはタッチパネル式がほとんどなので、スマホの使い始めのようになかなか操作に慣れないケースも見られます。

慣れない期間が続くほど、ICT建機の導入目的の1つである効率化の実現が遠くなります。

タッチパネル式に慣れている方は多いと思われますが、全員が慣れやすいものではないということを考慮し、使い方のレクチャーを実施する・不明点の相談を受け付けるといった工夫を図りましょう。

3:職人の勘で操作できない

ICT建機の留意点3つ目は、職人の勘で操作できないことです。ベテランになるほど、自分の意思や感覚で操作した方が効率的と考えるオペレーターも出てきます。もちろん、その考えが事実と言える場合もありますが、そのやり方がいつでも問題ないとも言えません。

しかし、経験と実績に基づく勘という能力を否定することも好ましくはないため、ICT建機を取り入れることによるメリットを説明し、必要に応じてベテランには既存建機を使わせるなどしましょう。

4:ICT建機の指示が難しい

ICT建機の留意点4つ目は、ICT建機の指示が難しいことです。ICT建機では設計ラインに基づいた自動制御、または指示(ガイド)を行います。このうち、指示を受けながら操作するMGでは、機械にどうこう言われることに対して不満を覚えるオペレーターもいるようです。

また、MCでは設計ライン通りに自動で動くため、オペレーターがラインから外れた操作をすると勝手に止まったり、ピーピー音を鳴らしたりします。自身の勘やセンスで重機を扱いたい方にとってはイライラの素ですので、導入する種類や機種はよく検討すべきと言えます。

ICT建機の魅力を重機オペレーターにしっかりと伝えて導入しましょう


ICT建機は効率・精度・作業員に対する負担などの面で魅力があり、会社にとっても有益な結果をもたらす可能性があるものです。しかし、ベテランオペレーターからすると、機械化による利便性の高さが煩わしく感じられることもあると言われています。

そのため、ICT建機の導入を行なう時には、オペレーターにその魅力と導入の意味や目的をしっかり伝えることが大事です。丁寧かつ分かりやすく説明し、同意や理解を促すようにしましょう。そのようにしてから導入すれば、留意点による問題の発生率も低減されます。

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