現場監督採用の基準にしたい主な資格3選|求人の打ち出し方のコツとは?

安全管理 2021.01.28 2021.01.28
現場監督採用の基準にしたい主な資格3選|求人の打ち出し方のコツとは?

現場監督における求人の打ち出し方とは?

現場監督の求人を出す時は、資格の有無を明確にすることです。

現場監督は即戦力が不足しているため、資格を保有し、経験を積んだ人物であることが重要です。その際には、相場以上の待遇提示を行うと良いでしょう。また、資格取得を目指す経験者には、資格取得後の手当の上乗せが効果的です。

ベテランがいる企業は後継者育成を考え、専門のコースを履修した新卒や未経験者など、現場監督見習いの募集も有効な求人の打ち方です。

覚えておこう!現場監督を選ぶ方法3選

現場監督を選ぶ時に重要なことは、資格や経験の有無とコミュニケーション能力です。現場監督に資格は不要ですが、建設業法の規定する建設業の現場は監理技術者の配置が必要です。

監理技術者が欠員の場合は有資格者を選び、多少余裕がある場合は資格よりも実務経験を重視します。監理技術者に該当する有資格者数が自社の営業規模に対して十分な場合は、資格や経験よりコミュニケーション能力を基準にします。

現場監督を選ぶ方法1:資格がある

現場監督を選ぶ方法は、監理技術者の資格保有者の募集です。

監理技術者は、二級の施工管理技士や土木施工管理技士、建築士などの国家資格を保有し、監督としての実務経験が2年以上必要です。登録機関で監理技術者講習を受講し、一般財団法人建設業技術者センターに申請します。

建設業の種類の適合と、資格者証の有効期限も重要です。

現場監督を選ぶ方法2:資格がない場合

現場監督を選ぶ際、資格がない場合は今までの職業経験や学歴を重視します。

資格なしの場合は、資格取得に必要な条件がどれだけ揃っているかを判断基準にします。監理技術者の資格要件は、学歴または保有する資格によって実務経験の必要年数が異なります。

自社で育てる場合は、学歴から必要年数を考慮します。短期間での取得を望む場合は、実務経験の豊富な人材を優先して採用すると良いでしょう。

実務経験が必要

必要な実務経験は、学歴や保有する国家資格によって異なります。また、実際の現場作業と監督の両方の実務経験が必要です。

実務年数も重要ですが、技量の把握は困難です。監理技術者の資格要件になる、職業能力開発促進法によって規定された技能検定一級もしくは二級合格を目安に加え総合的に判断しましょう。

現場監督を選ぶ方法3:コミュニケーション能力

現場監督はコミュニケーション能力も選ぶ時の基準になります。

資格や実務経験も大切ですが、業務を円滑に行うためにコミュニケーション能力は欠かせません。現場の職人から信頼を得て、発注者や業者との調整などコミュニケーション能力なしでは不可能となるでしょう。

建設現場の施工管理を担う人物は、専門知識や指導力と、コミュニケーション能力も選ぶポイントとして重視します。

現場監督採用の基準にしたい主な資格3選

現場監督を採用する時の基準にしたい主な資格は、建築士と施工管理技士です。

建築士も施工管理技士のどちらも監理技術者の資格要件になります。建築士は建築士法、施工管理技士は建設業法によって定められた資格です。実務経験が監督として指導的な立場を2年以上で資格申請できます。

この他、JR工事管理者も採用基準におすすめです。駅舎や駅ビル、駅周辺の工事を手掛ける資格になります。

現場監督採用の基準にしたい資格1:建築士の場合

現場監督に採用するなら、建築士の資格保有者です。

元々、建設会社は設計も手掛けます。将来的な従業員の構成を考えると、建築士の欠員は企業の存続にかかわります。現場監督が建築士であれば発注者からの信頼も厚く、設計の意図がそのまま現場に反映されます。

建築士には一級と二級、木造建築士の3種類があり、建築士の資格があれば施工管理技士の資格取得も容易になるでしょう。

一級建築士

一級建築士は、施工管理技士の資格取得のために必要な実務経験が2年で済み、現場監督に最適です。

一級建築士の保有者は、一級建築施工管理技士の学科試験が免除されます。一級施工管理技士の資格保有者は、特定建設業の専任技術者または監理技術者になれます。もちろん一般建設業の主任技術者の資格も保有します。

一級建築士の採用は、建設業として安定経営の人的基盤を確立できるでしょう。

二級建築士

二級建築士は個人住宅の設計ができ、ハウスメーカーや工務店の現場監督に適しています。

二級建築士は4年の実務経験を経て一級建築士の受験が可能になります。一級施工管理技士の受験は5年以上の実務経験が必要になります。また、二級建築士も設計を手掛ける建設会社の登録には必要です。

二級建築士は建築系の学歴がなくても7年以上の実務経験があれば、一級建築士を受験可能で、現場経験豊富な人材です。

現場監督採用の基準にしたい資格2:施工管理技士の場合

施工管理技士の資格は建築と土木に分類されているので、自社の業務に適している方を基準にすると良いでしょう。

建築施工管理技士は、ビルやマンション、一般住宅の他、商業施設など建築物を手掛けます。土木施工管理技士は橋やダム、道路や鉄道などのインフラ整備が中心です。どちらも施工管理業務を行います。

施工管理技士の資格試験は、実務経験が必要です。現場監督の経験者が保有する資格で、資格と経験を兼ね備えた即戦力です。

建築施工管理技士

建築施工管理技士は、建築業全般の施工管理の知識と経験が認められた証拠です。

建築施工管理技士は、建築士や職人が実務経験を重ねて受験資格を得られます。実際の現場作業の経験と監督業務を別のものとして加算します。10年以上建築関係に従事し、監督業務を2年以上経験すれば、学歴に関係なく受験可能です。

十分な経験と豊富な専門知識の保有者です。

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、建築施工管理技士より指導監督経験が少なくても受験可能です。

実務経験年数に1年以上の指導監督経験があれば受験できるので、建築施工管理技士より若い有資格者もいます。また受注側だけでなく発注側の経験者も受験できる点が特徴です。

土木関係は専門性が高いため、同じ資格でも自社の業務に合った資格で選択します。

現場監督採用の基準にしたい資格3:JR工事管理者の場合

JR工事管理者は、JR営業線から5m以内の線路に近接した場所の工事に必要な資格です。

駅ホームや駅舎の改修や高架工事、駅ビルや駅周辺の開発工事の現場には不可欠な存在で、需要が高まっています。建築系の大学または高専を卒業して実務経験2年とJRでの営業線近接工事1年を経験して、所定の講習を受講すると取得できます。

会社の業務を広げるきっかけになる人材です。

現場監督の資格を持たない実務経験の採用基準3選

現場監督の資格を保有しない実務経験者を採用する時は、学歴が基準です。

現場監督に欲しい資格は、主任技術者です。小規模な建設現場にも必ず配置が求められています。そして、主任技術者の資格から施工管理技士へとステップアップできます。

主任技術者の資格要件は、学歴や出身学部によって必要な実務経験が異なります。入社前の取得を促すため、採用担当者は資格要件を把握しておきましょう。

実務経験の採用基準1:大学建築系の学部の卒業生の場合

大学建築系の学部の卒業生の場合は、3年の実務経験で主任技術者の資格が取得可能ですので、積極的に採用すると良いでしょう。

建築系の学部で、指定学科の単位取得が条件です。指定学科とは、建築工事業は都市工学と建築学です。土木工事業は、都市工学と土木工学、交通工学と衛生工学で、高等専門学校(高専)も同じです。

実務経験の採用基準2:建築系の高校の卒業生の場合

建築系の高校を卒業した場合の実務経験は、5年以上必要です。

建築系の高校の指定学科も大学卒業者と同じ規定です。現場経験に指導監督経験は含まれません。現場で作業をしながら知識と経験を積んで、主任技術者を目指します。

学歴に関係なく、公共工事の元請けの場合は正社員としての雇用が3カ月以上必要です。

実務経験の採用基準3:建築系以外の学校の卒業生の場合

建築系以外の学校の卒業生の場合は、学歴に関係なく10年以上の現場経験が求められます。

専門知識の単位を取得していないため、全て実務を通して吸収します。正社員としての雇用も必要で、採用時には主任技術者を目標にして欲しいことを伝えると良いでしょう。

今までの実務経験が自社の業務内容と合致すれば、加算して要件を満たす場合もあります。学歴よりも実務経験を採用基準にします。

現場監督の資格手当を支給する場合の金額

現場監督に対して、資格手当を支給する場合の金額は相場を基準に判断します。

現場監督手当より、建築士や施工管理技士など資格に対しての手当が一般的な支給方法です。この他、施工管理者や現場監督として給与待遇をアップし、手当支給を行わない企業もあります。

採用する際は給与と手当は個別に明示して、わかりやすい給与体系をアピールし、入社後のトラブルや早期離職を避けましょう。

資格手当を支給する場合1:建築士に支給する金額

建築士に支給する資格手当は、設計事務所ではありませんが、ハウスメーカーでは支給されます。

設計事務所は、基本的に設計士の有資格者が勤務します。従って、資格に対する手当はありませんが、基本給が高めでボーナスも約3.5カ月が目安になります。

働きながら二級から一級取得を目指す人も多く、資格手当や基本給アップがやりがいに直結するでしょう。

一級建築士の場合

一級建築士の資格手当は、1万円が相場です。

一級建築士は、取得年齢が早くても20代後半です。年収は400万円が多く、地方や従業員規模の少ない企業では、低めになります。一級建築士全体の平均年収は約643万円です。日本人の平均年収の422万円と比較して高い水準になります。

資格手当を支給せず、その他の福利厚生の充実や残業を少なくするなど、働き方で保障を厚くする場合もあります。

二級建築士の場合

二建築士の資格手当は、5千円が一般的です。

二建築士は建築系の学校を卒業して初めに取得する資格として、若手中心です。建築系以外の学校卒業生は、実務経験によって取得します。多くは一級を目指しているため、通過点の認識です。

施工管理を行う建築士に対して、資格手当1万5千円に現場手当4万円強を上乗せする企業もあります。現場監督に採用する場合の参考にしてください。

資格手当を支給する場合2:建築施工管理技士に支給する金額

建築施工管理技士に支給する資格手当の相場は、建築士とあまり変わりません。

施工管理の求人が多く、年収の相場が上がっているため、資格手当は低めに抑えられています。二級より一級のほうが受け取る手当は多く、年収も高めの設定です。

資格取得年齢が建築士よりも遅いですが、建設業全体が建築士よりも相場が低いため、施工管理技士と建築士を比較すると年収は少なくなります。

一級建築施工管理技士の場合

一級建築施工管理技士の資格手当は、毎月1万円が相場です。

年収の相場は、転職の場合500万円から1000万円に諸手当が加算されます。現場監督の経験と有資格者に対する提示ですが、注文住宅工事でも公共施設工事でも下限の違いはありません。公共工事のほうが、企業規模が大きくなるため高額提示が増えます。

一級施工管理技士は、大規模工事受注に欠かせません。

二級建築施工管理技士の場合

二級建築施工管理技士の資格手当は、5千円が一般的です。

二級建築施工管理技士の年収は、注文住宅の場合は300万円、公共施設の現場監督は350万円から500万円が目安です。どちらも諸手当を除いた金額で、転職の募集条件になります。

建築士と比較すると施工管理技士は年収が少なめです。建築士は独立すると収入が増える場合が多く、現場監督は建設会社の雇用で、その違いが年収に現れます。

資格手当を支給する場合3:土木施工管理技士に支給する金額

土木施工管理技士は就職先が限定されますが、資格手当は企業によって異なります。

建築関係はハウスメーカーや工務店にも就職できますが、土木施工管理技士は建設業界が中心です。しかし、公共工事中心の業務で全国に一定の需要があります。都市部と地方で待遇に開きはありますが、場合によっては建築施工管理技士より多くの手当が支給されます。

一級土木施工管理技士の場合

土木施工管理技士の一級の資格手当は、3万5千円が目安です。

土木施工管理技士は大規模工事が多く、一級の不在は企業の継続にかかわります。しかし、公共工事が減少し、企業も厚遇できないのが本音です。年収も地方では340万円から430万円、東京では400万円から640万円に資格手当加算が相場です。

有資格者の転職に対して、建築施工管理技士とほぼ同じ水準になります。

二級土木施工管理技士の場合

二級土木施工管理技士の資格手当は、1万円から2万円が相場です。

建築士や建築施工管理技士と比較して、一級と二級の違いが少なく、むしろ資格手当は充実しています。小規模な建設業者には不可欠な存在で、一級までは必要ない下請けが多いことも影響しています。

年収は一般土木工事が380万円から700万円、橋梁の耐震補強工事は地方でも400万円から700万円が相場です。

現場に適した人材を現場監督に選ぼう

現場監督を選ぶ際の基準は、資格と経験、コミュニケーション能力です。

現場に適した資格保有者を採用するのはもちろんですが、実務経験が豊富な場合は、資格取得を促します。資格取得の動機づけに、手当の支給も有効です。建築士が現場監督をする際は、現場手当など資格以外の手当を充実させる方法も有効です。

現場に必要な人材の確保と自社で育てる方針を併用し、企業の安定経営と将来の飛躍の足掛かりを作りましょう。


当サイトの記事は基本的には信頼性に足る情報源(公共機関や企業サイト、または専門家によるもの等)をもとに執筆しており、情報の正確性・信頼性・安全性の担保に努めていますが、記事によっては最新の情報でない場合や情報の出典元表記や正確性が充分でない場合があります。予めご了承ください。

お問い合わせはこちらから

まずは無料でご相談ください

RECOMMENDATION

おすすめコラム

Contact

人材派遣コンサルティングの
ご相談はこちら

優良人材、給与プラン、複数人採用など