施工管理技士を採用したい場合の対策|求人情報の書き方など詳しく紹介

人材派遣 2022.03.20 2022.03.14
施工管理技士を採用したい場合の対策|求人情報の書き方など詳しく紹介

建設業界が賑わっているのに対し、施工管理技士の不足に嘆いている人事担当者は少なくありません。

本記事では、なぜ施工管理技士の採用が難しくなっている原因や、質の高い施工管理技士を採用するためのポイントについて紹介しています。

また、求人から採用までの過程を詳しく解説しているため、自社が求職者に求められる採用活動をしているかどうかの判断が可能になるでしょう。気になる方はぜひご一読ください。

施工管理技士の採用が難しい4つの理由

国家資格である施行管理技士とは、建設現場においてスムーズに工程を進めていくために管理や監督をする仕事です。

現在の建設業界は好景気とされている一方で、施工管理技士の人材不足が深刻化しています。

中堅の建設会社だけでなく、大手ゼネコン企業も施工管理技士の採用に頭を悩ませている状態が続いています。

はじめに、施工管理技士の採用を難しくしている4つの理由を挙げていきます。

1:国家資格保持者が少ない

建設現場の責任者としての義務を負う施工管理技士は、年々減少傾向に向かっています。

大きな理由として、施工管理技士の資格保持者よりも、高齢化による引退や転職などの減少するスピードが勝っていることが挙げられるでしょう。

日本の大きな課題となっている高齢化が、建設業界の現場にも押し寄せています。

有資格者の離職が施工管理技士の減少に繋がっていると言えます。

2:条件が揃う人材が少ない

企業が提示する条件に見合う人材が不足していることも人材難に拍車をかけています。

一般的に建設業が求めている人材として、建設業界の経験者や資格保持者、実務経験があるなど、ほかの産業と比べても採用難易度が高く設定されています。

求人サービスを利用しても、未経験者や資格がない人材しか紹介されないことも多々あります。

3:建設業へ入職する若年層が減っている

建設業は、ピーク時に比べ入職する若年層の減少が見られます。

日本建設業連合会によると、新規学卒者は2000年を境に徐々に低下しています。2009年に約2万9千人まで落ち込み、2019年には4万人まで上昇しましたがピーク時には及ばない数字です。

さらに厚生労働省の調査では約18%の離職率があり、ほかの産業と比較しても高い水準です。入職する若年層の低下に加え、離職率の高さも人材不足の一因と言えるでしょう。

出典 : 新規学卒者の入職状況 | 一般社団法人 日本建設業連合会
参照 : https://www.nikkenren.com/publication/pdf/handbook_2020.pdf

出典 : 新規高卒就職者の産業分類別(大分類※1)就職後3年以内※2の離職率の推移 | 厚生労働省
参照 : https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000845830.pdf

4:建設業へのマイナスイメージが強い

建設業に対する世間のイメージが人材不足の要因とも言えます。

建設業界のイメージとして「キツイ・汚い・危険」の頭文字からとった3Kというマイナスなイメージが強く残っています。

とくに若年層はプライベートを重視する傾向にあり、悪いイメージが先行している建設業界に興味を持ちにくいでしょう。

施工管理技士を採用したい場合の対策

建設現場の円滑な業務を担う施工管理技士は、企業だけでなく建設業界全体で不足しています。

優れた施工管理技士を採用するための対策として、あらゆる求人サービスを活用する方法があります。限られた求人サービスだけでは、より多くの人材と出会うことができません。

ここでは、施工管理技士を採用したい場合の対策を紹介します。

1:派遣会社から採用する

派遣会社は、企業のニーズに合わせた人材を派遣してくれるメリットがあります。

たとえば、短期や長期といった現場に応じた派遣が可能であることや、規模が大きい現場であるため複数名の施工管理技士を派遣したい場合など、状況に応じた人員確保が容易に行うことができます。

一般的に派遣会社には経験者が登録されており、採用したいスキルを持った人材が揃っています。

2:転職エージェントから採用する

転職エージェントとは、人材を採用したい企業と転職希望者のマッチングを行うサービスを指します。

転職エージェントを利用するメリットは、成功報酬型であるため、無駄なコストを省いて効率的な人材確保が可能であることです。初期費用と採用担当者の負担を抑えられることから、ほかの業務に人員をまわすことができるでしょう。

なお、別名として人材紹介会社とも呼ばれます。

3:求人雑誌・サイトに掲載する

求人雑誌やサイトは、誰でも閲覧できることから、いずれ転職したい就業者にもアピールすることが可能です。

日本全国から転職希望者に告知ができることや、採用したい人材が集まりやすいなどのメリットがあるでしょう。紙媒体ではなくWebサイトでの採用活動が行えるため、情報の発信力が強みです。

なお、求人雑誌・サイトには2つの料金体系が存在します。

成功報酬タイプ

成功報酬タイプは、広告媒体の掲載は無料ですが、採用が成功すると料金が発生する体系です。

メリットとして、応募が来なかったり面接をして採用に至らなかったりとしても料金がかからないことでしょう。初期費用が無料で利用できるため、リスクなく採用活動が行うことができます。

デメリットとしては、複数名を採用する場合には費用がかさむことです。採用が成功するごとに料金が発生するため大規模な求人には向いていません。

広告掲載タイプ

広告掲載タイプは、はじめに料金を支払ってから採用活動を行うタイプです。

掲載料金は期間や順位、広告サイズなどによって変動するため予算に合った広告掲載が可能です。また、数多く採用しても最初に支払った料金のみであることがメリットとして挙げられるでしょう。

デメリットは、採用したい人材が見つからなかった場合に費用が無駄になることです。求人情報を掲載する際は、求人サイトや雑誌の信頼性を見極めることが肝要です。

4:職業安定所に登録する

職業安定所はハローワークとも呼ばれている、国が運営する公共就職支援機関です。

メリットとしては、派遣会社や転職エージェントなどと違い、公的施設であることから掲載料や手数料が発生しません。また、トライアル雇用助成金という制度を利用することが可能です。

デメリットは、原則として職業安定所が設置してある地域の求人に限られることです。さらに求人掲載するためには現地に赴く必要があることも不便に感じるでしょう。

施工管理技士を採用したい場合のポイント

施工管理技士の採用過程において、企業側が注意すべき点があります。

企業の対応や透明性が悪ければ、求職者が辞退してしまう可能性があります。施工管理技士の数が減少している中、意図していない理由で手放してしまうことは痛手と言えるでしょう。

ここでは、優れた施工管理技士を採用したい場合のポイントを7つ解説します。

  • 企業が目指している目標を伝える
  • 具体的な仕事内容を伝える
  • 社内の雰囲気を伝える
  • 求職者にとってどんなメリットがあるか伝える
  • 適性検査を実施する
  • 現場の社員を面接に参加させる
  • 合否は早めに連絡する

1:企業が目指している目標を伝える

企業のビジョンを示すことで求職者に安心感を与えることができます。

採用の段階から企業が目指している目標と社員に求める役割を共有することで、入社後のギャップを防ぐことができます。

施工管理技士が離職してしまう原因として採用時と入社後のズレがあり、違和感を持った時点で転職を考えるでしょう。

面接の段階で、企業理念や目標を伝えるようにしましょう。

2:具体的な仕事内容を伝える

仕事内容を伝える際は、曖昧な表現をせず具体的にわかりやすく伝えるようにしましょう。

職種名であれば「施工管理」ではなく「土木施工管理」としたり、未経験者も含んだ対象であれば「工事現場のスケジュール管理」など、ターゲットする人材に合わせた表現が重要です。

また給与面でも同様に、「経験者は○○万円以上」や「資格保持者優遇」など詳細に伝えることで、求職者に安心感を与えることができます。

3:社内の雰囲気を伝える

求職者にとって、社内の人間関係や職場環境は敏感にならざるを得ないポイントです。

社内の雰囲気がわからない場合、求職者は職場について不安感をおぼえます。事前に把握できていれば入社後の自身の姿が想像しやすく、安心感を与えることができます。

大まかな表現ではなく、「休みにはみんなでご飯を食べに行く」などのように具体的な伝え方をすることで、求職者によりアピールできるでしょう。

4:求職者にとってどんなメリットがあるか伝える

採用過程の際には、求職者に自社で働くことで得られるメリットを伝えましょう。

たとえば、勤務年数によって得られるスキルの受験資格や、全額会社負担の資格取得支援制度などが挙げられます。

入社後に得られる資格やメリットを明示することで、求職者の仕事だけでなくキャリアプランに寄り添う姿勢をアピールできるでしょう。

メリットがデメリットを上回った場合、求職者の心情にプラスに働きます。

5:適性検査を実施する

求職者の経験やスキルを面接だけでは判断しかねる場合、適性検査を行うといいでしょう。

はじめに施工管理技士にまつわる記述問題や実施問題を作成し、社内の施工管理者に受検してもらいデータを把握します。

求職者にも同じ検査を受けてもらい、先ほどと近い数値が出た場合は採用したい人材である可能性が高いでしょう。

なお、適性検査を提供する企業があるため、そちらを利用してみるのも1つの手段です。

6:現場の社員を面接に参加させる

面接時にすでに現場で活躍している社員を参加させることで、求職者の不安の軽減に繋がります。

たとえば、面接の間に既存社員との質疑応答などを行う時間を設けてみるといいでしょう。

求職者に対して企業の魅力を伝えやすくなり、求職者の本音も聞き取りやすくなるため、Win-Winの関係が成立しやすくなるでしょう。

面接官を外した形での座談会や面談といった形式も求職者に好まれる傾向にあります。

7:合否は早めに連絡する

採用の合否は早めに連絡しましょう。

施工管理技士を含めた建設業界に従事する人々は、早朝から夜まで1日中勤務している場合が大半です。

そのため面接の機会は限られており、合否の連絡が遅いと求職者の行動を制限してしまうことに繋がります。

また、施工管理技士は業界の需要が高いため、採用の判断が遅れるとほかの企業に入社してしまう可能性もあるでしょう。

人材が不足していることから、採用する場合は早めの決断が重要です。

施工管理技士の求人情報の書き方

施工管理技士の人数は、建設業界の需要に対し多くありません。

企業に魅力的な待遇や職場環境が揃っていても、求職者が集まらなければ宝の持ち腐れです。施工管理技士を迎える土壌が整っているのであれば、応募したくなる求人情報を掲載しましょう。

ここでは、施工管理技士に対する求人情報の書き方について解説します。

「職種名」を具体的に書く

求人誌に掲載する場合は、「職種名」を具体的に書きましょう。

施工管理に関する経験者であればともかく、資格は持っているけど現場に出たことがないような未経験者には、大雑把な表記だけでは物足りません。

どのような業務か想像がつきにくいため、志望先から外される可能性もあるでしょう。

応募の間口を広げるために、「土木施工管理技士」や「建築施工管理技士」などの具体性を持たせるといいでしょう。

魅力的な「仕事内容」を書く

「仕事内容」の伝え方で求職者の企業に対するイメージが変わります。

ポイントとして、なぜ募集をしているのか、業務の種類と概要、業務の流れと職場の雰囲気を記していくと求職者に伝わりやすい文章に仕上がります。

しかし、ダラダラと長い文章では飽きられやすくなるため、未経験者がイメージできる文言を意識しましょう。

できるだけ体言止めは避けるようにし、「~です」「~ます」で終わる文章にしましょう。

「応募資格」は限定して書く

「応募資格」を記入する際は、最低限必要な条件に絞って明確に書くようにしましょう。

応募資格の例として、「現場経験不問」や「建設業界でキャリアアップを図りたい方」などが挙げられます。

また、学歴よりも経験を重視したい場合には、「学歴や転職回数は問いません」などの文言を入れると経験者の応募が期待できるでしょう。

応募資格には、関連性の高いキーワードや用語を含めると効果的です。

求める「スキル」を書く

「応募資格」と併せて求職者に求める「スキル」も明確に書きましょう。

たとえば、「○○施工管理として5年程度の経験がある方」という文言の場合、何を具体的に求められているか不明瞭です。

伝わりやすくするならば「○○施工管理技士2級以上もしくは1級○○施工管理技士有資格者」のように簡潔にわかりやすくまとめます。

該当するスキルや資格の保持者であれば、応募の際に前向きに検討してくれるでしょう。

「給与」は賞与や残業代も書く

「給与」を書く際は金額のみの記載では魅力的ではありません。

文言に賞与や残業代、最低支給額の詳細を明記することで、求職者は給料のイメージを膨らませます。

給与面は、求職者が求める情報でも重要な部分であり、書き方次第で応募を取りやめる可能性があるでしょう。

給与とは別に福利厚生や手当なども併記しておくことで、企業に対する信頼が上がり、応募する候補として残りやすくなります。

「休日」は具体的な日数を書く

「休日」も記す際も、求職者がイメージできる明瞭な文言を意識しましょう。

たとえば、休日を「月5~10日」と書いただけでは読み手には伝わりません。

「繁忙期は月5日、それ以外の月は土日祝日分だけ休めます」という旨を加えることで、スケジュールのイメージが持ちやすくなります。

夏季休暇や年末年始休暇、有給休暇なども同様で、具体的な日数を記すことが肝要です。

施工管理技士を早めに採用したい場合は「夢真」

ここまでお読みいただいて、もし

  • 「施工管理技士を採用したいけど、正直自社でやるにはかなりハードルが高そう」
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