2021年初夏からのエンジニアフォロー(以下EF)の導入は、技術社員の働き方に大きな影響を与えています。EFへのインタビュー2回目は、EFとしての心構えや導入による変化についてお話を伺いました。
登場人物プロフィール
名前
中嶋 将氏:
エンジニアフォロー企画推進部EF1課 2017年入社
入社後3年半ほど大手ハウスメーカーの現場で施工管理職に従事。2021年からエンジニアフォロー企画推進部に配属。
名前
喜多川 秀成氏:
エンジニアフォロー企画推進部EF1課 2020年入社
入社後、舗装会社や大手ハウスメーカーの地方の現場で施工管理職に従事。2021年からエンジニアフォロー企画推進部に配属。
EFと技術社員、互いを認め合う関係を作る
<① 新人技術社員に対して>
―技術社員に接する時には、どのようなことを意識していますか。
中嶋:
意識していることは2つあります。1つ目は、EFと技術社員の間に上下関係は全くないと思って接することです。私は過去に施工管理経験がありますが、だからといって先輩である自分が未経験の新人をフォローしてあげているという関係ではないと考えています。
―お互いがフラットな関係であるということでしょうか。
中嶋:
そうです。相手を対等な一人の人として尊重することが大事だと思います。人それぞれ考え方や価値観、これまでのバックボーンは様々です。だからこそ、相手から現場のことや仕事への考え方など多くのことを教わりたいですし、私も現場で経験したことからアドバイスができます。以上を踏まえ、お互いが学び合える関係性を大事にしています。
―具体的にはどのように接していますか。
中嶋:
丁寧な言葉遣いや的確な返答などを心掛けています。また、電話で相談されたら電話で返すというように、技術社員の方が受け取りやすい連絡方法で対応しています。
―柔軟に、相手思いの対応をされているのですね。
中嶋:
もちろん、新人を甘やかすということではありません。例えば報連相ができていないなど、改善すべき部分があればそこはきちんと指導します。ただその時も、頭ごなしにガミガミと指摘するのではなく、なぜそれができないのか、どうすればできるようになるかを一緒に考えるようにしています。
―技術や経験を積むだけでなく、人としても成長できるための工夫をされているのですね。他に意識していることはどのようなことですか。
中嶋:
2つ目は、過去の話を忘れないということです。技術社員から相談を受けた事柄の中には、その場で解決せず繰り返し問題が生じる場合もあります。
そのような時に、「あの時相談してくれた内容についてだね」とレスポンスよく反応できれば話がスムーズに進みますし、相談された事をきちんと覚えていることが信頼関係を築くことにも繋がります。
―相談する側も以前の内容を覚えてくれていたら話しやすいですよね。一方で、多くの技術社員のフォローを担当されていると一人ひとりの事柄を記憶するのは容易でないのではないでしょうか。
中嶋:
そうですね。そのため私は顧客管理ツールを使い、一人ひとりとの面談や連絡内容を記録しています。そして、訪問や面談、チャット等の連絡の前に確認をして、過去にどのような話をしてきたのかを振り返ります。
―なるほど、ツールを活用しているのですね。活用することで、どのようなメリットがありますか。
中嶋:
現場での業務内容についての話題も多く、例えば「半年前はこんな仕事をしていたね」と振り返ることができます。そこに今の仕事内容を重ね合わせてみると、以前に比べてできることが増えていたり、様々な経験を積んでいることが一目で分かります。
―ツールを使うことで、技術社員の成長が分かるのですね。
中嶋:
そうです。また担当している技術社員が成長する姿を見るのは私自身も嬉しく、やりがいにつながります。
―喜多川さんは、技術社員とかかわる際に心掛けていることはありますか。
喜多川:
私は聴き役になり、技術社員にできるだけ率直な思いを話してもらえるように働きかけています。
―なるほど。それは、喜多川さんご自身が施工管理技士をされていた経験も関係しているのでしょうか?
喜多川:
はい。自分が現場の技術社員だった時は、担当営業によく話を聞いてもらっていました。それは会社に対して自分が行っていることを分かってほしい、頑張りを認めてほしい、という気持ちがあったのだと思います。色々と話を聞いてもらうことで、溜まっていた思いも吐き出せました。
―技術社員だった頃にご自身が感じたことを、立場が変わった今、活かしながら業務にあたられているのですね。
喜多川:
そうですね。それにEFは技術社員と同じ現場で働いているわけではありません。だからこそ技術社員のリアルな姿を感じるためには、技術社員に存分に話してもらうことが大切だと思います。これらのことから、聴いて、共感して、接することを大事にしています。
―技術社員から受ける相談の中には、特に新人の頃は誰もが共通する悩みもあるのではないでしょうか。
喜多川:
確かに誰もが抱える悩みもありますが、その技術社員にとっては初めてのことであり、意を決して相談しているかもしれません。だからこそ、どのような悩みに対してもその思いに真摯に向き合い、少しでも早く解決できるように働きかけます。
―その他、大切にしていることは何ですか。
喜多川:
レスポンスの速さです。対応が遅いと後回しにされているような印象を技術社員に与えてしまうので、相談を受けたらすぐに返答します。どのようなことにも直ちに対応することで、頼られる存在になれるよう心掛けていますね。
<② 中堅以上の技術社員に対して>
―お二人が新人技術社員に対して親身なフォローをされていることはよく分かりました。一方で、中堅以上の技術社員に対してはいかがですか。
中嶋:
中堅以上の方からは、逆に教えていただくことを意識しています。新人時代に何に悩み、どう解決したのかといった人それぞれの失敗談や乗り越えるための工夫を、EFのナレッジとして活用していきたいと考えています。
―実際に、どのようなことを伺ったのですか。
中嶋:
1週間の工程表を頭に叩き込んでから現場に臨んでいるという方がいます。工程の全体像を掴んでいるから、明日や明後日の仕事の流れも明確になります。これは「現場の流れが把握できない」「現場でやることが多すぎて大変」という新人技術社員が抱える悩みの解決策として参考になります。
―経験をもとにした実践的なアドバイスですね。それを聞いた新人技術社員からの反応はいかがでしたか。
中嶋:
「先輩も同じようなことに悩んでいたんだ」と共感を呼ぶと共に、とても参考になっているようです。中には早速実行に移している新人もいます。
―喜多川さんがフォローしている方はいかがですか。
喜多川:
中堅以上の技術社員は、キャリア10年以上にもなれば充分経験値があるので、改めてEFに相談しなくても自分で乗り切れる方が大半です。そういう中でEF担当を必要としてくださる方からは、自分の悩みだけでなく会社や現場全体に対する意見をお話してくださる方も多く、会社に対する熱い思いを感じます。
―それは、中堅技術社員ならではの意見ですね。
喜多川:
そうですね、新人技術社員とは異なった視点かと思います。
ベテランの方は現場全体もよく見ているため、現場を良くしたいというご自分の率直な意見をEFに伝えてくださります。
ですが以前の当社には、技術社員の知識や経験を活かした意見や生の声を吸い上げ、社内共有・活用できる機会は多くはありませんでした。
―そこでEF制度が始まったのですね。
喜多川:
そうです。実際に中堅技術社員の方も、EFを通じて自分の意見を会社に伝えられることを喜んでくださっています。私たちにとってもそのようなご意見は貴重です。
―EFは幅広い世代の技術社員にとってメリットがあるのですね。
喜多川:
はい。私が担当しているキャリア18年になるベテラン技術社員ですが、私が訪問する際は丁寧に対応してくださり、技術に関する話はとても詳しく、現場に関する色々なご意見も楽しそうにお話してくださいます。「喜多川さんが時々来るようになって、仕事が楽しくなったよ」とおっしゃっていただいたこともあります。
フォローの質を上げるために、資格も取得
―現場経験を活かしてフォローを行っているとのことですが、技術社員からの相談に幅広く対応するには、それだけでは足りないような気がします。何かフォローの質を高めるために取り組んでいることはありますか。
喜多川:
私は「メンタルヘルスマネジメントⅡ種」という資格を取得しています。これは管理職向けの資格で、部下のメンタル面に気を配り、サポートするために必要な知識が得られます。例えば、睡眠時間の必要性などを相談時に活かしています。
―資格を取得することで、より専門的なフォローを行っているのですね。
喜多川:
そうですね。自分自身が様々な知識を得ることで、技術社員に正しい対応ができると思います。もちろん人対人の対応なので、これが絶対という正解はありませんが、正解に近いものを探せるようになると考えています。
―中嶋さんはいかがですか。
中嶋:
私も資格取得に挑戦していて、喜多川さんと一緒に「2級建築施工管理技士」を受験しました。1次の学科試験には合格しました。
―おめでとうございます。フォロー担当が資格取得に挑戦されることは、どのようなメリットにつながりますか。
中嶋:
資格取得の勉強をすることで、勉強方法やモチベーション維持の面でも技術社員に説明できるようになります。またEFが挑戦する姿勢を技術社員に示すことで、技術社員のモチベーションアップも図れているのではないかと思います。
EF導入による様々な効果
<① 資格取得の意識向上>
―EFが導入されてからの変化として、技術社員の資格取得率は向上しているのでしょうか?
喜多川:
向上しています。
当社にはeラーニング形式にて作成したオリジナルの研修素材があります。多くの講座の中から自分が学びたいものを自由に選べるのですが、技術社員にはeラーニングを使った資格取得を勧めており、それも資格取得率向上の要素の一つなのではないかと思います。
―具体的にはどのように勧めているのですか。
喜多川:
単に「資格があるよ」「eラーニングで学べるよ」と伝えるだけでは、内容を調べたり、申し込んだりなどの動きにはほとんど至りません。そこで、試験日や申し込み方、申込サイトまで案内するようにしています。さらに資格を取得すると資格手当が付き、給与アップになることも示しています。そのように案内することで資格取得の敷居が低くなり、資格への興味が湧くきっかけにもなるかと思います。
―関心を持ってもらうところから工夫をされているのですね。実際の技術社員の反応はいかがですか。
喜多川:
はい。多くの技術社員が資格取得に意欲的です。申込用紙の記入を手伝った人もいますし、業務に関連する資格取得のコンプリートを目指している人もいます。
―皆さんの結果が楽しみですね。
<② 担当営業との連携>
―担当営業とはどのように連携していますか。
中嶋:
担当営業には「〇〇さんは今、こんな仕事をしています」「こんなことができるようになりました」と、技術社員の状況を逐一伝えています。順調に働いていることが分かれば担当営業も安心かと思いますし、未経験者を受け入れやすい現場なら、担当営業からお客様に増員を働きかけるという次のアクションにつながることもあります。
―技術社員からEFに現場の状況で相談されることもあるのではないですか。
中嶋:
はい、中には現場に対する意見もあります。そういう時もEFから担当営業に連絡し、課題を共有することで早期解決に努めます。
―技術社員の現場に対する生の声を聴ける環境が整ったのは、EF導入による大きな変化ですね。
中嶋:
はい。以前は技術社員が現場に不満を感じても、相談先がなくストレスを溜め込むようなことがありました。しかし今はストレスが小さいうちからEFが聴き取ることで、課題の早期発見ができます。
またその後も、担当営業と技術社員とEFの三者で情報を共有しています。そうすることで、技術社員も問題の行く末を確認でき、安心感に繋がります。
―三者の情報共有は大事ですね。
喜多川:
担当営業から、アサインを考えている技術社員について聞かれることがあります。EFの方が技術社員について詳しいから、技術社員について的確な情報を伝えることで、ミスマッチの軽減にもつながります。
―例えば、どのようなケースですか。
喜多川:
ある技術社員のプロフィールに「夜勤可」と記載があったため、「彼に夜勤のある案件を頼もうと思うけれど大丈夫だろうか」と担当営業から相談されました。そこで、「彼は稼ぎたい意欲があるから、夜勤こそやりたいんだよ」とプロフィールの記載だけでは分からない情報を伝えたことで、スムーズに案件が決まったケースがあります。三者間の情報共有がよりよいマッチングにつながった一例だと思います。
<③ 技術社員の安心感>
―EFが導入されたことで、三者で情報共有し、技術社員の安心感も高まっていますね。
中嶋:
はい、そうだと思います。EFが現場を訪問し、所長さんにあいさつしているのを見かければ、稼働先と夢真はきちんと関係を構築していると感じ、知らないところに放り込まれたという意識は少なくなるのではないかと思います。
―未経験の技術社員にとって初めての現場は、不安が大きいものですか。
中嶋:
はい。特に残業時間や休日など、稼働前に聞いていた話と食い違いがあると、現場だけでなく夢真全体にも不信感が強まり、結果として早期退職に繋がることもあり得ます。
―それを防ぐためにどのようなことを行っていますか?
中嶋:
「案件打診チェックシート」というものを用いて、現場の就業情報などを担当営業が技術社員に稼働前に説明しています。そこにEFも立ち合い、三者で情報を共有しています。また同様に稼働後でも認識と齟齬があった際には、担当営業を通じて現場に確認しています。
―技術社員の安心感向上やミスマッチ防止のために、様々な工夫をしているのですね。
最後に
夢真のEFインタビューの第2回目では、EFとしての心得や導入後の変化について話を聞きました。
未経験の新人から中堅・ベテランまで、夢真には多くの技術社員が在籍しています。EFが一人ひとりと向き合い、活躍をサポートすることで、技術社員の意識も変化し、資格を取得する気運が高まっていることに加えミスマッチの軽減など会社としての改善にも貢献しています。
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3回目のインタビューでは、技術社員とのエピソードや現場からの反響についてお届けします。どうぞお楽しみに!
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