通称グリーンファイルと呼ばれる労務安全書類は、下請け会社から元請け会社に提出する書類です。
作業員の安全や工事現場の安全を確認するための書類で、20種類以上の書類があります。
ゼネコンごとにフォーマットが用意されている場合もありますが、ここでは社団法人全国建設業協会が編集した全建統一書式に則り、主な労務安全書類の作成方法を前偏と後編に分けてご紹介します。
「再下請負通知書」作成のポイント
再下請負通知書とは、一次下請け以下の下請け契約について元請けに報告する書類です。
自社が請け負った工事をさらに下請けの業者に依頼し、契約を結ぶ際に必要な書類となります。
基本的には自社に関する事項と、下請け会社に関する事項を記載するようになりますが、現場の役割を記載する欄のポイントをご紹介します。
人員配置の欄の主任技術者には、必要な資格を有した直接雇用の人材を記載します。
請負金額3,500万円以上の公共工事や公共性のある建築工事の場合は、現場専任の主任技術者を置かなければならないので注意が必要です。
安全衛生責任者名については現場に常駐する現場代理人、主任技術者、職長などから選ばなければなりません。
また、雇用管理責任者については会社の責任者、人事担当者など労務管理を行う人を記載します。
雇用管理責任者は、特に常駐している必要はありません。
「作業員名簿」作成のポイント
作業員名簿は、どのような人がいつ現場に入っているかを把握するための書類です。
法的な義務はありませんが、万一、現場で事故が発生してしまった場合など緊急時に対応できるように作成しておかなければなりません。
雇い入れ年月日は、入社した年月日を記入し、経験年数は担当する仕事を経験した年数を記入します。
経験年数は、入社以前に経験したものも含めて記入するため、雇い入れ年月日との整合性は必要ありません。
健康診断日については、最近の健康診断を受けた日を記入します。
特殊健康診断は、有害業務従事者が半年に一回受けることが義務付けられているもので、該当しない場合は未記入で問題ありません。
保険加入状況については、加入している保険の種類を記載し、健康保険と雇用保険は保険番号の下4桁を記入します。
作業員名簿には、個人情報も多数含まれるため取り扱いには十分な注意が必要です。
ポイントを押さえて効率よく書類作成
さまざまな種類の書類があり作成に時間のかかる労務安全書類ですが、ポイントを押さえておけば、それほど時間をかけずに作成できるようになります。
再下請負通知書、作業員名簿とも工事を安全に進めるために、いつ、どんな人がどのような作業をするのかを示す重要な書類です。
間違いがないよう丁寧に作成しましょう。
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