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完成工事高の計算・計上方法|完成工事高と類似勘定科目との関係5つも紹介

更新日:2021年5月6日

完成工事高とは?


完成工事高とは建設会社の本業の売上を指し、略称は「完工高」です。

建設会社は、本業の他に資材の卸売や不動産業などを営んでいる企業もあります。売上は完成工事高を含む全ての事業収入を計上します。

英語では、Construction Revenueです。Net sales of completed construction contracts は日本基準の財務諸表で使用します。

完成工事原価との違い

完成工事原価とは完成工事高の原価を指し、内訳は労務費と材料費、外注費と経費です。

計算方法は、期首棚卸高から期末棚卸高の差額に、未成工事支出金の期首から期末の差額、仕入高と外注費を加えます。

完成工事高も完成工事原価も、どちらも損益計算書に記載する科目です。完成工事高から完成工事原価の差額が「完成工事純利益」で粗利の把握に利用します。

請負金額との違い

請負金額とは発注者と建設会社との契約金額で、損益計算書の完成工事高に工事完成基準で計上する場合は同じです。

工事進行基準を採用した場合は、工事が完了するまで分割で計上します。1つの会計期間だけでは合致しませんが、当初から完成までを合計すると等しくなります。

経営事項審査に提出する「完成工事高内訳書」の請負金額は、100万円(消費税込)以上が評価対象です。

完成工事高の計算・計上方法


完成工事高の計上は、適用する会計基準によって異なります。

会計基準に関係なく、工事が完了し目的物の受け渡しを終了すれば、貸方に工事完成高、借方に完成工事未収入金を計上します。完成工事未収入金とは、一般企業の仕訳で売掛金に相当する勘定科目です。

完成工事高を計上した後に、完成工事原価も計上します。計上方法は、完成工事原価が借方、未成工事支出金が貸方です。未成工事支出金とは製造業の仕掛品に該当します。

工事進行基準

工事進行基準を採用した工事は、請求書の発行済みを当期分の工事完成高に計上可能です。

工事進行基準は、工期が1年以上、請負金額が10億円以上の両方の要件を満たす場合に適用します。決算ごとに当期分の工事完成高と支出した工事原価を未成工事支出金に計上します。

未成工事支出金は貸借対照表の勘定科目です。損益計算書の材料費や労務費、外注費や経費を振り替えます。

工事完成基準

工事完成基準では、目的物の引き渡し作業が終了した時点で完成工事高を計上します。

工事完成基準を適用しても、工期によって会計年度が複数年に及ぶこともあります。その場合は、工事が完了するまで支出金だけを計上します。支出金は未成工事支出金として繰り越し、完成時に完成工事原価に計上です。

工事完成基準は工事完成高の計上が1回で、処理が簡単です。

完成工事高と類似勘定科目との関係5つ


建設業の勘定科目は、完成工事高に類似した科目もあります。

施工高や出来高は一般の売上に近く、完成工事高と似ています。次期繰越高は建設会社の経理と一般の経理では、性質が異なります。手持ち工事高は建設会社の経理独特の科目で、しっかりと押さえます。

それぞれの科目の内容と完成工事高との関係や違いを紹介します。

1:受注高

受注高とは、契約を締結した建設工事の請負金額を指し、将来の完成工事高です。

受注高には、元請工事受注高と下請工事受注高の2種類あります。受注高の計上は契約成立時です。受注高が未着手の状態は手持ち工事高に計上し、完成した時点で完成工事高に計上します。

建設会社の経営は当期の完成工事高も重要ですが、受注高は将来の収入源を確保している数値として評価の対象です。

2:施工高

施工高とは、請負契約を締結した建設工事の施工が完了した部分の金額を指し、工事進行基準を適用した際の当期完成工事高と同じです。

契約済みの受注高は、施工が完了した部分は施工高に振り替えます。受注高から施工高を差し引くと、未着工部分の契約金額が把握できます。未着工部分は、受注高または手持ち工事高に該当します。

工事完成基準を適用した場合、当期に工事が完了すれば完成工事高と施工高は同一金額です。

3:手持ち工事高

手持ち工事高とは、工事の受注高から施工高を差し引いた金額で将来の完成工事高です。

国土交通省は統計調査で「未消化工事高」を使用していましたが、工事が停滞している印象を与えるとして、2014年10月から手持ち工事高に変更しています。

手持ち工事高は、受注額と同じ意味に使用します。貸借対照表の材料貯蔵品は手持ち工事用の資材などで未成工事支出金として計上されなかったものです。

4:次期繰越高

次期繰越高は受注済みの請負契約の未着工の金額を示し、来期の予定完成工事高です。

繰越高は、前期繰越高と次期繰越高の2つです。次期繰越高の計算方法は、前期繰越高に当期受注高を加算し、当期施工高を減じます。

次期繰越高が多ければ、来期以降の完成工事高も増えます。建設会社の受注意欲が減少することもありますが、安定収入が見込めるため融資を受ける際には評価の対象です。

5:出来高

建設会社の出来高は、請負契約の当期の施工済み部分を指し、完成工事高や施工高とほぼ同じ意味です。

出来高は工事進行基準の計算方法です。出来高払いは中間払いや部分払いとも呼ばれ、受け取った金額は完成工事高として計上します。

大型工事の受注高は高額ですが、代金の受取が不透明な場合もあります。完成部分から代金を受け取ると完成工事未収入金が少なくなり、資金繰りが楽です。

完成工事高と経営事項審査の関係


経営事項審査とは、公共工事を直接請負う際に必要な審査です。

経営事項審査は、受注したい工事業種の完成工事高を記載します。審査基準日の直近2年または3年分の平均が評価対象です。「完成工事高内訳書」に請負金額100万円以上の建設工事を業種別に記載します。

受注したい工事業種の完成工事高が多ければ、高評価を得られます。工事進行基準を採用して、未完成工事でも完成工事高を増やして評点向上を狙います。

出典:経営事項審査について|国土交通省関東地方整備局
参照:https://www.ktr.mlit.go.jp/kensan/index00000007.html

完成工事高と関連する勘定科目の関係・違いを理解しておこう


完成工事高は建設会社の本業の売上を示し、工事進行基準を適用する際は請求書の発行、工事完成基準を適用した場合は引き渡しが完了した時点で計上します。

完成工事高と類似した科目は、施工高と出来高です。受注額は手持ち工事高、次期繰越高と同じ意味です。完成工事高を計上する際、完成工事原価も計上します。

完成工事高と関連する勘定科目に対する知識を深め、違いを理解しましょう。

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