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派遣者の36協定はどうする?4つの基本と特別条項について紹介!

更新日:2021年1月19日

36協定とは?

施工管理・現場監督の派遣を検討する採用担当者において、36協定の理解は必須です。36協定とは労働者の時間外労働にかかる労働協定になります。

普段、何気に発令している「残業」ですが、36協定が締結されていないと発令できません。36協定が締結されないまま発令すると「労働基準法違反」となるので注意が必要です。ここでは36協定について詳しく解説します。

36協定の呼び名の由来

36協定は「サブロク」協定と読み、労働基準法第36条に由来します。なお、正式名称は正式には「時間外・休日労働に関する協定届」です。

労働基準法において、労働者の勤務時間は1日8時間、週40時間以内と定められており、これを「法定労働時間」と呼びます。したがって、法定時間を超えて労働させると法律違反です。事業所は責任を追及されることになります。

制定の経緯

1947年に施行された「労働基準法」により、36協定は制定されました。労働基準法は日本国憲法第27条第2項に基づき、労働条件の最低基準を定めた法律です。

つまり、労働基準法によって「1日8時間、週40時間」といった基準が明確化されたことになります。ただし、企業によって繁忙要素・時期が異なるのが通例です。そこで例外的に時間外労働を認めるルールが必要となり、36協定が制定されています。

派遣者との36協定の基本4つ

36協定は一部の例外を除いて、全ての労働者に適用されます。したがって、派遣労働者であっても36協定の対象となり、派遣先の事業所がその責任を負わなければなりません。

したがって、施工管理・現場監督の派遣を検討している採用担当者は、派遣労働者の36協定についても十分に配意する必要があると言えるでしょう。ここでは、派遣労働者との36協定において注意すべき基本事項を解説します。

派遣者の36協定基本1:就業条件への時間外対応明示する

派遣労働者の場合は就業条件明示書に、時間外労働の対応を明示しなければなりません。就業条件明示書とは、業務内容や就業場所、就業時間、休憩時間などが明記された書類です。

すなわち、一般社員に明示する労働条件通知書と同じ役割を果たすものだと言えます。したがって、委託者は就業条件明示書に明示された36協定の内容によって、時間外労働を行うことが可能です。

派遣者の36協定基本2:派遣元と協定を結ぶ

派遣者の場合、実際に労働する派遣先ではなく派遣元において36協定を締結します。したがって、派遣者は派遣先ではなく派遣元の36協定が締結されることを理解しておきましょう。

言い換えれば、派遣先の事業場の責任者は、派遣元の36協定を熟知しておくことが大切です。仮に派遣労働者が派遣元の36協定を超えて労働した場合、36協定違反となり派遣先の事業所に罰則規定が適用されます。

派遣者の36協定基本3:違反責任は使用者

36協定違反が発覚した場合、労働者に違反責任があると考えられがちです。しかし、違反責任が問われるのは使用者側になります。仮に使用者が労働者に時間外労働を命じていなくとも、使用者側に責任が及ぶことが大半です。

したがって、使用者は全ての労働者の勤務時間を明確に管理することが重要になります。そこでタイムカードなどを利用して、客観的に勤務時間管理が可能となる機器やシステムを導入する企業も少なくありません。

派遣者の36協定基本4:原則は月45時間年間360時間

36協定を締結すれば時間外労働を命じることはできますが、上限なく締結できるわけではありません。36協定で締結できるのは、月45時間年間360時間が原則です。

ただし、理由もなく上限の時間数で締結することは好ましくありません。長時間労働は、派遣者の健康を脅かすと言えるでしょう。したがって、可能な限り少ない時間で締結することが求められます。

派遣者に特別条項が認められる条件3つ

36協定は締結時に予想できる繁忙要素に基づいて、締結時間数が決まります。しかし、36協定締結時には予想できない業務量の増加が、突発的に生じることも少なくありません。36協定は労使が合意すれば、年度の途中であっても締結し直すことも可能です。

しかし、締結には時間がかかり現実的ではないことから、特別条項付きの36協定を締結する事業所が多いのが実態だと言えるでしょう。ここでは、いわゆる「特別条項」について説明します。

派遣者に特別条項が認められる条件1:36協定条文の特別条項追記

「特別条項」は「特別条項付き36協定」が正式名称であり、一般の36協定締結時に合わせて締結します。あくまでも一般条項に追加して締結するものであり、単体で締結するものではありません。

また、締結時間や対象となる業務を明確にすることが必須です。以前は締結時間に上限がなく、いわゆる「青天井」となっていましたが、労働基準法の一部改正により上限規制が設けられています。

派遣者に特別条項が認められる条件2:突発的業務量の増加

特別条項が適用される業務内容は、突発的に増加した業務量でなければなりません。言い換えれば、36協定締結時に予測し得なかった、突発的業務量の増加だといえます。

一般的に予想される業務量については、安易に特別条項とすることなく、一般条項で締結するのが一般的です。派遣会社は派遣先の会社と連携して、繁忙要素を丁寧に検証する必要があると言えるでしょう。

派遣者に特別条項が認められる条件3:期間集中型業務対応

特別条項はいわゆる「特別な事情」が明らかにならなければ適用できません。例えば、製造業において特定の期間に業務が集中すると、一般条項では対応できない状況が生まれます。

このような、期間集中型業務は「特別な事情」に該当するため、特別条項付きの36協定が必要です。ただし、特別条項が頻繁に適用されると、長時間労働の助長につながりかねないことから正しい運用が求められます。

派遣社員の36協定特別条項内容4つ

派遣社員の36協定特別条項には、一般社員と同様に詳細な上限規制が設けられています。かつての特別条項は、締結時間に上限規制が設けられていなかったため、長時間労働の温床となっていました。

働き方改革において、長時間労働の是正は大きな課題です。そこで、大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月から上限規制が設けられました。ここでは、上限規制を踏まえた特別条項の内容について解説します。

派遣社員の36協定特別条項内容1:1か月の上限は100時間未満

時間外労働の上限規制が設けられたことから、特別条項においても1か月の上限は100時間未満となりました。したがって、どんなに業務量が突発的に増えても100時間を超えて時間外労働を命じることはできません。

なお、対象となる労働時間は「週8時間1か月40時間」を超える労働時間です。すなわち、単月での法定時間外労働と法定休日労働を合算した時間が対象となり、100時間を超えてはなりません。

派遣社員の36協定特別条項内容2:複数月の平均が80時間以内

時間外労働の上限規制では、複数月の平均が80時間以内に制限されています。前項で1か月の労働時間の上限は100時間未満であることを説明しました。

しかし100時間未満であっても、毎月100時間近い長時間労働が続くと健康被害を引き起こすことが想定されます。そこで、例え100時間未満であっても、2か月ないし6か月の平均を80時間以内に抑えることが定められました。

派遣社員の36協定特別条項内容3:45時間を超える月が年に6カ月以内

特別条項では1か月の労働時間に加え、労働時間が45時間を超える月を年に6回以内に制限しています。 特別条項は長時間労働を是正し、労働者の健康を維持することが目的です。

1か月あたりの時間外労働時間数が特別条項の範囲内であっても、年に何度も発生すれば健康に大きな影響を及ぼします。そこで、特別条項の乱発を防ぐ意味でも上限規制をかけていると言えるでしょう。

派遣社員の36協定特別条項内容4:1年の上限は720時間以内

安易な特別条項の適用を防ぐために、1年の上限を720時間以内に規制されています。かつての特別条項では、年間の時間数に上限規制はありません。したがって、特別条項を拡大解釈することで、いくらでも時間外労働を命ずることも可能でした。

このことが、長時間労働を容認する要因であったため、年間の時間数にも上限規制がかけられています。したがって、事業場の責任者は年間の累計時間数にも注意が必要です。

2020年4月労基法改正で派遣も含めた全企業が36協定対象化

働き方改革の一環で、2020年4月労基法改正において、派遣も含めた全企業が36協定対象となりました。また、この法改正では時間外労働の上限規制が定められるとともに、違反に対する罰則が設けられています。

少子高齢化が加速し、労働人口は年々減少しているのが実態です。長時間労働が容認されると、健康被害を引き起こし労働力不足は深刻になります。したがって、36協定の見直しは必須だったと言えるでしょう。

施工管理や現場監督の採用を考えている人事担当者も知っておく必要性とは

36協定は雇用形態に関わらず、労働者の大半に適用されます。したがって、施工管理や現場監督の採用を考えている人事担当者は、その内容を熟知しておく必要があると言えるでしょう。

とりわけ労基法の改正により、36協定違反には罰則が設けられました。36協定違反は法律違反となり、企業イメージも著しく低下することから、人事担当者は正しい知識を身に付けることが重要です。

派遣者対応36協定は締結者と使用者が異なることに注意する

36協定は労働者の健康を守るためにも、会社の責任において遵守しなければなりません。とりわけ派遣者の場合、派遣先ではなく派遣元の36協定が適用されることから、締結者と使用者が異なります。

したがって派遣先と派遣元は連携を密にして、派遣者に適用される36協定内容を理解することが大切です。また、人事担当者は36協定にかかる上限規制の内容を把握し、協定違反を発生させない仕組みづくりが必要だと言えるでしょう。

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