施工管理や現場監督の派遣社員とは?
正社員ではなく派遣社員として働くということはひとつの選択肢となっています。施工管理技士や現場監督の派遣社員もこれまでに培ったスキルを生かし、仕事内容が選べるという点でメリットの大きい働き方です。自分でキャリアを形成していきやすい点も有利です。
そんな施工管理・現場監督の派遣社員についての採用を今回は紹介していきます。
正社員やアルバイトとの違いは?
派遣の雇用形態は正社員とは異なり非正規雇用となります。正規雇用の正社員が無期限かつフルタイムで働くのに対し非正規雇用とは期間を契約で決められている、またはアルバイトのように短い労働時間で働く雇用形態です。
同じ非正規雇用のアルバイトとの違いは、アルバイトが労働契約を勤務先と結ぶのに対し派遣社員は人材派遣会社(派遣元)と結びます。給与は派遣元から支払われ、業務の指揮は会社(派遣先)が行い指示に従います。
派遣社員は面接が禁止されている?
派遣社員は正社員の採用時に行われる事前面接が労働者派遣法で禁止されています。
それはなぜでしょうか。面接が禁止とされる理由と顔合わせの基本的な流れについて解説していきます。
面接が禁止されている理由
派遣の面接禁止は派遣労働候補者の中から特定の人を派遣労働者として派遣先が選ぶことを禁止するということです。つまり、派遣制度は派遣元は雇用主としての責任を負うこと、派遣先は業務の指揮命令のみを行うことになります。
それによって労働者を保護することが派遣面接禁止の理由になります。派遣制度は企業側だけではなく労働者立場にも立ったものということが分かります。
面接などの具体的な禁止行為例
具体的な禁止行為は、事前面接・応募書類(履歴書)の提出要請・年齢、性別を限定・適性検査を行うことです。これらの禁止事項を行うことは労働者の保護に欠ける恐れがあるため禁止されています。
ただし、派遣社員を希望する人が「派遣元から紹介された仕事を受けるかの判断を行うために自ら派遣先を訪問すること」と「派遣先での直接雇用を希望し、派遣社員自ら就業前に履歴書を送付すること」は例外として認められています。
派遣社員の顔合わせとは?顔合わせのための条件3つ
では派遣社員の顔合わせとはどんなものでしょう。面接ではく「顔合わせ」という言葉にピンとこない方も多いのではないでしょうか。
顔合わせを行う際の条件と合わせて解説していきます。
派遣社員の顔合わせの条件1:派遣社員が仕事を受けるかの判断をするため
顔合わせはあくまで派遣社員が紹介されたお仕事を受けるか否かの判断をするためのものです。派遣社員が就業先を実際に訪問し、職場環境や仕事内容が紹介された条件と相違が無いかを派遣先企業からの説明により確認します。そして派遣社員が派遣先企業で就業可能か判断をします。
派遣社員が就業先企業の業務を遂行する能力があるか否かは基本的に派遣会社の判断になります。就業先企業が派遣社員を選ぶための顔合わせではないという点に気をつけましょう。
派遣社員の顔合わせの条件2:派遣社員が疑問点を解消するため
顔合わせは派遣社員が派遣先企業で行う業務内容や条件の疑問を解消する場になります。働き始めてから「こんなはずではなかった」とならないために事前に派遣先企業の担当者に質問をします。
仕事内容から職場環境まで小さなことでも疑問を解消してもらい、双方の食い違いがないように納得してから働き始めることが大切です。
派遣社員の顔合わせの条件3:派遣先が評価をするためのものでないこと
前にも触れましたが、派遣社員の顔合わせは派遣先が派遣候補者を評価する場ではありません。派遣される人材を選ぶために候補者を派遣先企業が評価をすることは派遣法で禁止されています。
ただし、あまりにも常識やマナーのない方を紹介された場合はお断りするケースもあります。ですが初めから選考を目的としての顔合わせではないということを認識しましょう。
派遣社員の顔合わせの流れと主な内容
派遣社員の顔合わせは、通常派遣会社の担当者が派遣候補者に同行して行われます。先企業の会議室などで行われ、基本的な所要時間は30分〜1時間ほどです。
顔合わせの主な流れは、まず候補者の職歴やスキルの記載されたスキルシートが全員に配られます。そして、候補者による職歴を中心とした自己紹介、その後に派遣先企業から候補者へ職歴やスキルについての質問をします。
続いて派遣先企業から業務内容の説明、最後に候補者から派遣先企業へ質疑応答で終了となります。どの派遣会社も基本的な流れは同じです。
人事担当者が派遣社員と顔合わせをするときのポイント
担当者が派遣社員と顔合わせを行う際には禁止されていることや注意点があります。よく確認してルールに則って行いましょう。
1つのポジションにつき顔合わせは1人の派遣スタッフに限られます。派遣社員に業務内容の説明をする際は、派遣業務に関連することのみにしましょう。また、プライバシーに関わる質問はNG(氏名、年齢、家族構成、前職の会社名など)なので気をつけましょう。
派遣社員の方に実際の職場を見学してもらいますが、働くイメージしやすいよう配慮が必要です。
名前などの個人情報はスキルシートには記載されませんので、本人から自己紹介の際にその場で確認することになります。人材を選ぶ特定行為に該当しないように気をつけて、業務上質問しておきたい点は双方に食い違いがないように質疑応答を行いましょう。
人事担当者は派遣社員の面接が禁止されていることを知ろう
顔合わせは面接、つまり派遣候補者を特定することを目的とした行為ではありません。面接を行うことは労働者派遣法で禁止されていることを人事担当者はしっかりと理解しておく必要があります。
労働者派遣制度は派遣社員と派遣先企業にとってとても有益な制度になります。派遣制度を利用する際は、禁止事項を守ってお互いが気持良く働けるよう顔合わせを行いましょう。
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