大規模で土砂崩れなどの危険を伴うトンネル工事には、安全に工事を行うためのガイドラインがあります。
今回は、厚生労働省が、平成29年3月21日に定めた「シールドトンネル工事に係る安全対策ガイドライン」について紹介したいと思います。
シールドトンネル工事に係る安全対策ガイドライン
シールドトンネル工事では、突然の異常出水やセグメント崩壊などによる労働災害が発生する可能性があります。
そのため、こうした事態を未然に防ぐことを目的に、厚生労働省は、シールドトンネル工事における安全対策について検討してきました。
その結果として、「シールドトンネル工事に係る安全対策ガイドライン」が策定されました。
発注者による取り組みの概要としては、まず発注者において、契約書、仕様書といったリスクアセスメントを設計者と元請け施工業者に徹底させ、その結果を設計図書、または施工計画に反映させるように規定することが義務付けられています。
また、発注者が、シールドトンネル建設工事の安全に関する十分な知見を持たない場合には、受注者が示した設計、施工方法を第三者のシールドトンネル専門家などに確認してもらう必要もあります。
設計者、施工者による取り組みの概要
設計者、および施工者による取り組みとしては、「的確なリスクアセスメントを踏まえた設計および施工計画」、「シールドマシン」、「セグメントの設計など」、「テールシール用グリース」といった内容から、「線形管理」、「掘進管理」「セグメントの組み立て」、「掘進状況に応じた施工計画の見直し」、「避難、救護の訓練」といった内容に至るまで網羅されています。
なお、トンネル工事の関係事業者は、「シールドトンネル工事に係る安全対策ガイドライン」の普及と定着を図る必要があり、トンネル工事における労働災害防止対策として、一層の推進を図ることが求められています。
工事に関わるすべての職員への浸透が重要
ここまで「シールドトンネル工事に係る安全対策ガイドライン」の概要について説明しました。
トンネル工事は、専門的な技術も必要なうえに、危険も多い工事ですので、内容についてはすべての職員がきちんと把握しておく必要があります。
そのためには、各企業の取り組みも非常に重要になってくるでしょう。トンネル工事に携わる企業は、ガイドラインの社内教育に努めるようにしましょう。
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