建設工事業で建設業許可を取る時のポイント3つ|許可に関する注意点も紹介

労務 2021.03.15 2021.03.15
建設工事業で建設業許可を取る時のポイント3つ|許可に関する注意点も紹介

建設工事業とは


建設工事業とは、元請として総合的な企画や指導、調整を行い建築物の建設をする工事で、複数の下請け業者によって施行される、大規模でかつ複雑な工事のことです。

具体例としては、新築工事や増改築工事、マンションなどの集合住宅建築工事などがあります。

建設工事業で建設業許可を取る時のポイント3つ


家や大きな建物を建てる場合、手抜き工事や粗雑な工事を行っていたとしても、発注者がそれを完成後すぐに知ることは難しいです。

そのため、施工業者が工事を行うだけの能力があるのか、建設工事の発注者が判断できる基準が必要となります。

そこで、一定規模以上の工事に関して工事を請け負う事業者に対し制限をかけ、許可を受けた事業者のみが工事を請け負えるようにしています。それが建設業許可です。

ここでは、建設工事業において建設業許可を取るためのポイントをご紹介します。

出典:建設業の許可とは|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html

1:建築一式工事の定義を知る

まずは、建築一式工事についての定義を知りましょう。

建築一式工事は、建築業許可において「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」だとされています。

また、原則として「元請の立場で請け負う工事」のみが建築一式工事だとされています。ただし、元請が行うのは監督、材料支給等のみで、実質的な施工全般は一次下請業者が行う場合、例外的に元請・一次下請両方が建築工事業に該当します。

出典:建設業法第二条第一項の別表の上欄に掲げる建設工事の内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/1972/26219000/26219000.html

2:専任技術者の要件を満たす

建設業許可を取るには、建設工事について専門的な知識を持っている技術者が技術指導を行い、建設業務を行う体制が必要となります。

専門的な知識や経験を持ち、技術上の統括責任者となる人のことを専任技術者と呼びます。建設業許可を取るためには、この専任技術者がいることが必要です。

専任技術者として認められるのは、一定の資格を持っている人、指定学科の卒業と実務経験のある人、10年以上の実務経験がある人のいずれかです。

資格について

一定の国家資格等を有する人は専任技術者として認められます。

建築一式工事の場合、一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士(建築)・一級建築士・二級建築士の資格がそれにあたります。

許可を申請する際には、国家資格の合格書、または免許書の写しが必要となります。

出典:営業所専任技術者となり得る国家資格等一覧|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001372890.pdf

指定学科の卒業と実務経験がある

中等教育学校、高等学校、専修学校の指定学科を卒業した場合は5年以上、高等専門学校または大学の指定学科を卒業した場合は3年以上の実務経験のある人は専任技術者になることができます。

建築業許可保有会社で実務経験がある場合は、卒業証明書と建設業許可通知書のコピー、厚生年金の記録などで証明をします。

建設業許可のない会社での実務経験の場合は、卒業証明書と、建築工事だと明確にわかる工事請負契約書や注文書、請求書等の書類、厚生年金の記録で証明します。

10年以上の実務経験がある

建築工事での実務経験が10年以上ある人も専任技術者になることができます。

建設業許可保有会社での実務経験がある場合、建設業許可通知書のコピーと、厚生年金の記録で証明できます。

建設業許可を取っていない会社での実務経験がある場合は、建築工事だと明確にわかる工事請負契約書や注文書、請求書等の書類と、厚生年金の記録で証明します。

3:経営業務の管理責任者の要件を満たす

建設業許可は、大規模な建設工事を受注する際に必要となります。建設業許可を取るには、会社が大きな金額の工事を扱えるだけの適正な経営をしていなければいけません。

そのため、建設業の経営について、総合的な管理を行った経験のある人が許可を受ける事業者の中にいる必要があります。この人のことを経営業務の管理責任者と呼びます。

法人の場合、常勤の役員のうちの1人、個人事業の場合、事業主または支配人のうちの1人が、建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者の経験がある、または建設業以外に関し6年以上経営業務の管理責任者の経験があることが必要になります。

建設工事業の許可に関する注意点


建設工事業の許可を取っていても、すべての工事を請け負えるわけではありません。あくまで「建築一式工事」の定義に該当する工事だけを請け負うことができます。

ここでは、建設工事業の許可に関する注意点をご紹介します。誤解しやすいところなので確認しておきましょう。

専門工事を単体で請け負うことはできない

下請業者が行う大工工事や内装工事、電気工事などの専門的な建設工事を専門工事と呼びます。

建設業の許可は、建築一式工事と土木一式工事の2つの一式工事の他に、27の専門工事に分類されています。そのため、ある一定額以上の専門工事は、建設一式工事の許可を取っていても請け負うことができません。

専門工事を請け負う場合は他の許可も取得する

消費税込みで500万円を超える専門工事を請け負うには、その業種に応じた建設業許可を取る必要があります。

例えば、500万円を超える舗装工事を請け負うには、舗装工事に対する許可を取っておく必要があります。建築一式工事の許可だけでは請け負えないので注意しましょう。

建設工事業で建設業許可を取る方法を知ろう


建設工事業で建設業許可を取るということは、大がかりな建設工事を請け負えるだけの技術者や経営者がいることを示すものです。許可を取っていることで、発注者も工事を安心して任せることができるでしょう。

建設業許可を取るには、一定の要件を満たす必要があります。建設業許可が必要になった時に急に取ることは難しいので、いざという時のためにも、許可を取るための方法について知っておきましょう。


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