機械設備の現状とは
近年の機械設備の現状は、その複雑化及び高度化によって需要が拡大しています。
機械設備とは、給排水や空調、ガス供給、衛生など建築物内の環境整備に欠かせないもので、自動制御装置と連動させた設備も増えています。
また、法律による規制や設置基準なども関係しているため、省エネルギーなど環境を考慮したシステムや防災設備も機械設備に含まれます。
建設業の分類では管工事業に含まれ、機械設備の内容によっては電気工事業が担当する場合もあります。
電気設備との違い
電気設備とは、照明や弱電機器の他、セキュリティ関連など電気関係の設備です。
機械設備も電気設備も、建物の着工時期から完成まで現場で工事を行います。特に配管や配線は完成後に見えなくなる部分のため、打ち合わせの段階から参加します。
また、電気製品のエアコンを導入した場合でも、ダクトの配管などは機械設備が担当です。専門性が高い工事ですが両者の関係も深く、明確な分担のもとに作業が行われます。
機械設備の採用において必要な基礎知識5つ
機械設備は、範囲が広く専門工事に特化しているため、募集する際は具体的な工事の種類を挙げた上で、必要な人材を採用します。
前述のように、機械設備には、給排水衛生設備、ガス設備、空気調和(空調)・換気設備、自動制設備、消化設備工事などが含まれます。
しかし、機械設備で募集しても、採用したい工事以外の経験者が応募する可能性もあるため、注意が必要です。
工事の違いを把握した上で人材を採用する必要がありますので、ここでは、それぞれの特徴を紹介していきます。
1:給排水工事
給排水工事とは、建築物内の水の供給と排水用の器具の設置及び配管工事です。
主に管工事業が担当し、トイレや浄化槽などの衛生設備工事も含みます。家庭用の台所やお風呂などから施設の厨房設備など、比較的大型の給排水工事まで対応します。
また、新設以外に管更生工事も担当しますが、配水小管だけで、工場内排水管などの大型施設は水道施設工事が請負います。
2:空調工事
空調設備工事は工場やビル、マンションなど業務用冷暖房設備や換気装置の設置及び配管工事を指します。また、施工後の保守点検などのメンテナンス業務も対応します。
空調の正式名称は空気調和設備です。配管工事では建築物の躯体工事から関わり、室外機の設置や試運転など、最後まで施工現場で作業します。また、「ダクト工事」と呼ばれる換気設備の配管も合わせて行います。
なお、施工後のメンテナンス業務は、ビル管理会社などと契約して作業します。
3:水道施設工事
水道施設工事は、給水管引込工事を中心に行い、業者によっては給排水設備工事を行います。
給水管の引込工事は、道路の排水管から敷地内への引込、水道メーターの設置までを指します。新築以外でも、給水管の取替工事や素材変更に対応可能です。また、マンションなど受水槽給水方式を採用した場合は、受水槽の設置なども施工します。
自社の業務が給排水と水道設備のどちらかを判断して、採用活動を行いましょう。
4:設置工事
設置工事とは、トンネル内の給排機器やプラントなど大型設備の設置が中心です。ただし、全ての機械や器具類を設置する工事を指すため、管工事や電気工事、消防施設工事と重複する場合もあります。
一般の建設現場では、立体駐車設備やエレベーターなどの昇降機など、運搬機器設置工事が関係します。この他、ビル建設時の固定クレーンの設置工事も行うため、建設現場と密接に関係する業種です。
5:蓄熱システム工事
蓄熱システム工事では、電気料金が割安な夜間に氷やお湯を蓄熱槽に蓄えて、空調設備に使用する蓄熱槽の設置と配管を行います。
蓄熱システムは空調設備の省力化が主な目的ですが、ピーク時の電力消費を避け、排熱量を抑える役割も果たします。ビルや大型施設の工事が主で、制御装置の導入・運用管理も担当します。
この時、システム全体を担当する業者が行う場合と、ダクト専門業者がダクト工事だけを行う場合もあるので、その違いに注意しましょう。
機械設備の採用において人事担当者が聞くべきこと3つ
機械設備の経験者を採用する場合、事前に質問を考えて会社内で確認しておくことが重要です。
面接当日は1人で対応せず、会社幹部と現場の責任者も同席して行いましょう。工事の専門的な内容や応募者のスキルに関する質問、自社の業務内容の説明や逆質問への回答などを任せます。
応募者の考えを明確に知るための質問を準備し、採用基準を明確にしておきましょう。
1:現在や過去の職業を聞く
現在や過去の職業を聞く際は、職種や規模、業務内容など、現場での経験を詳しく質問しましょう。
特に確認したい内容は、業務実績です。「機械設備の施工管理業務経験者」の場合、多くの業種がある機械設備業では詳しく過去の職歴が把握できません。
即戦力を期待する場合は、施工事例なども質問して業務レベルの確認を行いましょう。自社の業務内容と比較しながら、マッチングに必要な情報を聞き取ります。
2:仕事で成長できたと思ったときのことを聞く
自己分析と共に、チームで作業できるかを確認するために質問します。
一般の作業員とは異なり、施工管理担当者として現場を指導する立場です。冷静な自己分析ができなければ、トラブル発生時の適切な対応が期待できません。
例えば、個人プレーが好きなタイプは、協調性に欠けるでしょう。現場監督など、現場のリーダーとして働く際に、コミュニケーション能力の不足による現場環境の悪化につながる場合もあるでしょう。
どのような時に「仕事で成長できたと思えたのか」という質問に答えられるということは、ある程度冷静な目で自己分析ができるということになりますので、仕事の適性を測れます。
3:志望理由を聞く
志望理由は、退職理由の裏返しです。
志望理由は面接の定番です。退職理由と志望動機はつながっているため、本人の目指す方向性も把握できるでしょう。
なお、退職理由については、人間関係のトラブルや給与や待遇への不満など、隠していても分かることもあります。丁寧に聞き取って本当の志望理由を引き出しましょう。
応募者の志望動機には、企業に対する期待も含まれます。両社の期待がマッチするような人材を見極めてください。
機械設備の採用を進めよう!
機械設備の施工管理や現場監督の採用は、過去の職種や業務実績を丁寧に聞き取って、自社とマッチする人材を採用することが重要です。
機械設備は給排水や空調・換気設備など主に管工事業ですが、専門性が高く他の業種からの転職が上手くいかない場合もあります。
そのため、募集内容に自社の詳しい業務を記載し、面接の際、マッチングミスがないように現場担当も同席しましょう。
自社の求める人材を明確にした上で、採用活動を行ってください。
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