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ICT施工がもたらすメリット8選|ICT施工の導入で起こり得るデメリット4つ

更新日:2021年4月14日

ICT施工とは


ICT施工とは、建設現場の生産性向上と品質確保が目的のシステムです。

ICTは国土交通省のi-Constructionのひとつで、建設現場の生産性を向上により魅力を増やす取り組みです。ICT施工の他、規格の標準化と施工時期の平準化を柱にしています。

ICT施工は、情報通信技術と建機を連動させた施工方法です。

出典:ICT施工(情報化施工)|国土交通省
参照:https://www.ktr.mlit.go.jp/gijyutu/gijyutu00000131.html

情報通信技術を用いたシステム

ICT施工は、情報通信技術を活用して高精度の施工を目指します。

ICTはInformation and Communication Technology(情報通信技術)の頭文字です。

建設工事の調査や設計、施工、検査及び維持管理など各工程で、電子情報を活用して施工の精度を高め、同時に効率化します。電子情報はその他の工程にも活用して、工事全体の効率化と品質向上につなげます。

建機と連動させて効果を発揮する

ICT施工は、建設機械の位置情報と連動させて運用し、効果を発揮します。

建機の位置情報は、3次元設計データと照合して比較します。その結果を基に建機のオペレーター支援や自動制御を行います。

例えば、建機とICTの連動により、施工前の建物の位置決めをする丁張り作業や施工中の測量、違いを修正するための作業がなくなります。自動制御で運用し、費用削減と工期短縮を実現します。

ICT施工がもたらすメリット8選


ICT施工によるメリットは、作業の効率化や現場の安全確保など多くあります。

自動制御による高精度の施工は品質を向上させます。工期短縮や経費の削減など、施工管理者に求められる品質管理や工程管理、安全管理、原価管理の問題解決に役立ちます。

ICT施工の代表的なメリットを紹介します。

1:施工効率の向上が期待できる

ICT施工では、目視確認と検測回数を減らせるため、施工効率を向上させます。

基礎工事では、ドローンなどを利用して作成する3次元設計データを基に作業を進めます。今までの現場で必要だったオペレーターの目視や作業中の検測が不要になり、効率よく施工できます。

目視作業が不要になると、同じ作業を夜間でも施工可能です。複合勾配など目視が困難な現場でも平坦な地形と同様のスピードで作業を進められます。

2:施工精度の向上が期待できる

ICT施工は、オペレーターの力量に頼らず精度を向上させます。

ICT施工では、建機にデータを送信するトータルステーション(TS)を設置します。正確な測位データを送信し、建機を自動制御します。

国土地理院の電子基準点情報を活用したVRS(仮想基準点)方式、人工衛星を利用したGNSS(全球測位衛星システム)方式など高精度のGPSも位置情報に利用可能です。正確なデータは高精度の施工を実現します。

3:安全性の向上が期待できる

ICT施工は建機周辺の作業が不要になり、作業員の安全確保に役立ちます。

建機周辺での測量や作業補助、監督・指導など、作業員と現場監督の業務をなくします。建機との接触など労災事故防止が可能です。

自動制御は、軟弱な地盤や急傾斜地など作業の困難な地形でオペレーター勤務を回避します。立ち入り人数を制限した工事は、安全管理を担う施工管理の負担軽減につながります。

4:細かい作業が一挙に省ける

ICT施工では、GPSネットワークシステムや施工履歴データを活用して細かい作業を省略できます。

GNSSを利用した場合、位置データの補正が必要です。ローカライゼーションにより、現場座標に置き換えて使用します。設定をすれば、施工範囲の計測が瞬時に終了します。

施工履歴データは進捗状況や建機の稼働を簡単に把握します。今までできなかった、工程終了前の出来高管理が可能です。

5:人員削減が可能となる

作業補助や検測がなくなり、人員削減します。

丁張り設置や排土板操作など、建機周辺の補助作業が不要です。自動制御を導入すれば、オペレーターも必要ありません。夜間工事など作業員や施工管理者に負担になる現場に導入すると、働きやすい環境づくりに役立ちます。

現場管理者は作業員の労務管理がなくなります。作業現場の安全確保や周辺住民への配慮など、工事以外の管理業務も減らせます。

6:環境負荷が低減できる

建機の効率的な稼働は燃料使用量を減らし、環境負荷を低減します。

ICT施工では、建機の操縦は自動制御型と支援型があります。どちらを選択しても効率的な稼働です。検測や補助員の移動など待ち時間のアイドリングもなくなり、使用燃料を少なくします。

施工精度が高く、作業のやり直しもありません。計画通りの施工により、余剰建設資材を減らします。従来の現場と比較して、様々な場面で環境負荷を抑制可能です。

7:技術評価値の見える化が図れる

ICT施工による工事は、精度の高さを様々な施工履歴データで裏付けします。

工事は数値化できませんが、履歴データが高精度なICT施工技術を可視化します。

ICT施工は、公共工事の総合評価落札方式の技術評価対象です。施工者希望型の場合、総合評価段階で施工計画を提案するⅠ型は、総合評価加点方式です。ただし、契約後に提案を行うⅡ型は加点対象になりません。施工管理者は押さえておきたいポイントです。

8:工期を短縮することができる

3次元データの活用は、全ての工程で工期を短縮します。

ドローン撮影は短時間で測量し、設計も短時間で終了します。切土や盛土量などの施工量を自動算出し、施工計画作成も短縮します。取得したデータを基にした建機オペレーターの操作支援は、重機の1日当たりの施工量を増やし、高精度の工事をやり直しなく完成させます。

検査もドローンを活用し、検査項目や作成書類を減らします。

ICT施工を導入で起こり得るデメリット4つ


ICT施工は実際の現場に導入が始まったばかりで、メリットだけでなく、デメリットもあります。

ICT対応機器は価格も高く、導入が進みません。ゼネコン大手などは着実に施工実績を伸ばせますが、中小建設業者には導入もできません。

施工段階での操作支援はオペレーターの技術が不要になり、技術の習得が進まず、スキル向上ができない点も課題です。

1:通信が途切れる環境下では使用できない

無線通信を利用して機器を操作するため、通信環境が良くない場面では利用不可能です。

ネットワークシステムは、安定した通信環境を前提にしています。しかし、施工現場は山間部など通信環境が良好ではない場合も多くあります。現場の通信環境が良好でも、途中の中継局に停電が発生すると利用できなくなります。

GPSの受信も常に万全ではない環境では、従来の工法しか採用できません。

2:設備投資のコストがかかる

ICT施工には新たな設備投資が必要で、コストがかかります。

ICT施工用の建機は割高で、レンタル料も従来のものより高額です。建設工事の効率化や人員削減による経費削減効果はありますが、コストは導入を阻害します。

ICT導入には、補助金を活用します。システム機器・建設機械・ソフトウェア・人材育成のそれぞれに国土交通省の補助金が創設されています。専門家の派遣を受けて導入を支援するサービスも利用可能です。

3:システムダウンすると作業が止まる

GPS精度の低下や機器の故障などのシステムダウンは、一切の作業が停止します。

機器が故障しても代替機を準備できず、ソフトの再設定が必要です。作業員の手作業は天候や現場のアクシデントによる影響だけですが、システムを前提とした工事は、システムダウンが発生すると対応が困難です。

従来の施工方法に戻すため作業効率が悪くなります。工法変更や日程調整など施工管理の負担は大きく、納期内に完成できません。

4:ICT施工を前提とした設計になっていない

設計などICT施工を前提にしていないため、数量計算や積算で出来高確認に利用できません。

国土交通省は、係数を利用して既存の施工パッケージを変換する補正基準を2016年から導入しています。変更点は補助員の削減や効率化による1日当たりの施工量の増加、追加項目はICT建機の初期導入費や建機リース料の増加などです。

利用促進を目指し、施工事例の多い工種から順次見直しています。

ICT施工はメリットとデメリットを理解して導入しましょう


ICT施工は、高精度な工事を現場の負担を軽減した高効率の建設工事を実現します。

ドローンを利用した3次元データを活用し、ネットワークシステムにより建機操作を支援します。施工管理に求められる品質の向上、安全な作業環境の整備、適正なコスト、施工日数の削減に役立ちます。

通信環境が悪くなると作業停止などのデメリットも理解して、ICT施工の導入を進めましょう。

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