建設業界での下請けとは?下請けのメリットやデメリット3つと脱却するためポイント

人材派遣 2021.01.13 2022.12.21
建設業界での下請けとは?下請けのメリットやデメリット3つと脱却するためポイント

建設業界での下請けとは?

建設業界の下請けとは、元請け業者と契約を結んで業務を行う業者または個人事業主などです。

下請けは工法など、元請けの指示に従います。下請けの従業員は下請け業者と雇用契約し、就業時間や賃金は下請けの規約が適用されます。下請けは仕様書を基に資材や工具、機械を自前で準備します。

下請けと似ている業態に派遣があります。派遣は派遣事業者と雇用契約し、派遣先の指示を受けて作業します。

元請けとの違いとは

下請け業者と元請け業者の違いとは、発注者です。

下請けの発注者は元請けで、元請けの発注者はユーザーです。元請けは、公共工事であれば国や自治体、法人や個人などと直接契約を行います。

下請けは元請けの現場で作業を行いますが、発注者との契約はありません。元請けと契約した作業を、発注元の仕様書に従って工事を行います。

外注の違いとは

下請け業者と外注の違いとは、指示系統の違いです。

下請けは元請け業者の指示に従って作業を進め、外注は請負った作業の指示は自社で行います。建設業界特有の一人親方は下請けで作業をしますが、実際は自分で考えて作業を進めるので外注です。

しかし、元請けの経理処理は下請けも外注です。材料や用具の準備や給料の支払いが独立した状態を税務署は外注と判断します。

建設業界で下請けのメリットやデメリットについて知っておこう

建設業界の下請けは、メリットとデメリットが共存します。

建設業界の下請けは、重層構造とも呼ばれます。元請けは工事一式を受注します。下請けは土木や内装など専門性の高い業者です。土木にはとび・土木、内装には大工や建具などより細分化します。

専門性が高く直接発注者から仕事を受注する機会が少ないので、下請けとして受注できることがメリットです。反対に取引上元請けが優位な立場のため、負担を強要されるデメリットもあります。

下請けのメリット3つ

下請けのメリットとは、営業費用や開発費をかけなくても一定量の仕事が確保できることです。

下請けの多くは中小企業です。営業費用や開発費を自前で賄う資金が足りません。元請けの発注を待てば、営業や広告宣伝費をかけなくも業務を受注できます。

これらのほかにもメリットがあるため、これから紹介していきます。

下請けメリット1:営業費用が抑えられる

下請けは営業活動をしなくても元請けから仕事を回してもらえるため、営業費用を抑えられます。

営業費用とは、広告宣伝費や営業職員の給与や活動費を指します。下請けは元請けに営業活動するだけで、独自の営業活動を行う必要がありません。

発注者との交渉や煩雑な書類作成や手続きなど、面倒なことを全て元請けに任せて業務に専念できるメリットもあります。

下請けメリット2:一定業務の確保ができる

元請けから一定量の業務が確保できる点も、下請けのメリットです。

下請けは自社で営業をかけなくても、元請けから一定量の仕事を回してもらえます。同じ元請けと活動を共にすると、自分の得意分野を事業規模に合っただけ確保でき、工期も重なりません。

元請けとの長期的な取引は資金繰りの目途が立ち、業績の安定により金融機関との信頼関係も構築可能です。

下請けメリット3:企画や開発は不要で労力を抑えられる

下請けは自社で企画や開発を行わなくても良いので、労力や費用を抑えられます。

建設業の企画とは、分譲地や建売住宅、マンションやテナントビルの計画です。計画には新しい工法、作業の効率化や住環境向上のための技術が含まれます。元請けや大手は豊富な資金と労力で、企画や開発を行います。

下請けは、企画によって生まれた工事を受注し、新しい工法は実際の工事で詳しく指導を受けられ、業務以外の労力が不要です。

下請けのデメリット3つ

下請けのデメリットとは、発注者との交渉がないので取引条件の変更ができず、元請けの業績に影響を受けることです。

工事中のアクシデントで元請けに出した見積もりより費用が増えても、取引条件の変更ができず赤字になる場合もあります。元請けの業績が悪化すれば、仕事を受注できなくなって経営に影響が出ます。

これから、下請けのデメリット3つについて紹介していきます。

下請けデメリット1:取引条件の変更ができない

下請けは元請けとの契約なので、追加費用が発生しても取引条件の変更ができません。

建設工事は天候不順による工期の遅れも発生します。納期に間に合わせるため時間外や休日に作業を行う場合もあり、作業員への給与が増えますが契約の変更ができず自社で負担します。

工事に必要な材料や機械の費用は、下請けの負担です。見積もりと異なって材料費や機械のレンタル料金が増えても、取引条件の変更は不可能です。

下請けデメリット2:元請け業者の業績が下がると売上や仕事に影響が出る

元請けから業務を回してもらうため、元請け業者の業績が下がると売上も減り、仕事がなくなります。

営業活動をしなくても一定量の仕事が確保できる反面、元請けが受注できないと下請けにも仕事はありません。自前で営業活動する余力もなく、取引先がなくなります。

下請けデメリット3:突然仕事が打ち切られることもある

下請けは、元請けから突然仕事を打ち切られるリスクがあります。

元請けは優位な立場なので、必ず同じ下請けに仕事を回すとは限りません。高い技術力でまじめに仕事をこなしても、元請けの都合で突然取引が停止する可能性があります。

将来を見通した経営計画を立てにくく、資金繰りも不安です。従業員が不安を感じて離職すると、仕事を回されても受注できない状態に追い込まれます。

元請けのメリットとデメリット4つ

元請けにとっても下請けとの取引は、メリットとデメリットがあります。

元請けは直接発注者から受注して下請けに業務を任せるので、自由な料金設定で利益を出せます。工事の規模によって下請けを調整すれば、自社で多くの作業員を雇用する必要がありません。

しかし、工事の不備があれば受注した元請けの責任です。自社が直接担当しない工事に関しても責任を負います。

元請けメリット1:料金設定が自由

元請けのメリットは、工事の料金設定が自由になることです。

発注者に対して見積もりを行うのは、元請けです。工事価格を自分で決定できます。下請けに発注する際の料金設定も元請けが行います。工事を受注する際に、下請けから見積もりを出して契約しますが、元請けよりも利幅は少なめです。

施工費用を抑え、受注金額から自分で決めた利益を必ず得られます。

元請けメリット2:人を雇用する固定費用が抑えられる

元請けは工事の規模に応じて下請けに発注し、自社で作業員を多く雇用せず費用を抑えられます。

雇用の固定費用とは、基本給と各種保険や拠出金など法定福利費の事業主負担分を指します。仕事量に関わらず固定費用は毎月必要になり、元請けにとって大きな負担です。

元請けは営業活動や企画・開発に固定費を回し、現場は下請けに任せて固定費を浮かせる経営ができます。

元請けメリット3:下請けを上手く使うことで利益が出せる

元請けは、下請けを上手く使って利益を出せます。

元請けは工事一式を請け負いますが、実際の工事は高い専門性が必要です。建設業界は専門分野に特化した企業も多くいます。高い技術力を持った業者を下請けとして利用し、工事全体を仕上げます。慣れない分野を任せ、自社の得意分野を手掛けるだけで済ませられます。

スケジュールや規模に合わせて自社分を確保し、下請けに回さない方法で利益確保も可能です。

元請けデメリット4:仕事に対しての責任は全て元請けにある

元請けは受注者として、ミスや事故が発生した場合は全責任を負います。

工事中の労災保険は、元請けが下請け分も一括で加入手続きを行います。現場労災とも呼ばれ、事故が発生すれば元請けの労災保険で補償されます。労働環境の整備や周辺住民からの苦情への対応も、元請けの仕事です。

施工ミスや完成後の不具合は、受注した元請けが窓口です。自社の担当しない工事であっても、受注責任を果たします。

下請けから脱却するためポイント

下請けのデメリットを克服するためには、下請けからの脱却を目指します。

下請けからの脱却は、元請け以外の取引先の開拓です。自社の強みを生かして取引先を増やします。元請けも複数確保すると、安定した経営が可能です。

下請けからの脱却は簡単にはできません。自社取引や元請け数を増やして1社だけに依存する体質を少しずつ変えていくことが大切です。

これから、下請けから脱却するためポイントについて紹介していきます。

自社取引も目指すようにする

自社取引を目指すためには、自社の強みを作り出します。

自社取引とは、元請けからの仕事待ち体質を変える取り組みです。従業員と共に資格を取得して技術の底上げに取り組みます。専門業者はWebサイトを活用して費用と労力をかけずに、自社の技術を宣伝します。

下請け同士で協力して、営業を行う方法も効果的です。同じ現場で培った連系を活かした効率の良さと作業範囲の広さをアピールします。

元請け以外にも取引先を作っておく

元請け先以外の取引先を確保することは、安定した経営に欠かせない条件です。

新しい取引先を開拓する方法は、複数の元請け先を作ることも含みます。元請け依存体質からは脱却できませんが、1つの元請けに頼るよりは自立可能です。

地域維持型建設共同企業体(地域維持型JV)とは地域の保守管理作業を目的に設立する組織で、業態を変えずに入札参加資格を得られます。地元密着で仲間と共に下請け脱却を目指します。

一括下請けの禁止について

建設業法第二十二条では、一括下請けを禁止しています。

一括下請けとは工事の丸投げとも呼ばれ、受注した業者が手数料を取って工事を全て下請けにさせることです。施工責任が曖昧になり、手抜き工事や労働条件の悪化の原因になります。能力不足により、構造物が完成しない事態も発生します。

悪質な元請け業者も出かねず、健全な建設業者が存続できなくなります。そのため一括下請けは禁止されています。

建設業界での下請けの今を知っておこう

今の建設業界とは、経営安定を目指して下請け脱却に取り組んでいる状況です。

下請けは元請け業者の景気に影響を受けやすく、経営が安定しません。元請け依存をやめて、自立するために取引先の開拓を始めています。自社の魅力発信や下請け同士の連携など、少しずつ変わり始めています。

デメリットの克服と将来を見据えて、下請けは変わろうとしています。


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